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訪問看護スタッフブログ

2019.07.17 |

訪問看護におけるエンゼルケアとは~エンゼルケアの勉強会を行いました~


先月は「エンゼルケア」について勉強会を開催しました。
葬儀会社の方にお越しいただき、エンゼルケアの行い方、訪問看護師のエンゼルケアから葬儀会社への引き継ぎ、葬儀までの流れについてもお話を伺いました。質問が多く飛び交い、スタッフ皆さんの関心の高さが伺える勉強会となりました。
今回のブログでは、エンゼルケアについておさらいしつつ、訪問看護におけるエンゼルケアについてもまとめています。

1 エンゼルケアとは

エンゼルケアとは、医療機器の取り外しや保清、着衣の交換、体液等の処置、エンゼルメイクなども含む死後のケアのこと全般をいいます。外見を生前のその方らしく整え、お見送りをするための施しですが、感染予防等を防ぐ目的でも行われます。
エンゼルケアは、葬儀会社や看護師とともにご家族が行うこともあります。どちらが行うべきかというのは特に定まっていないようです。葬儀会社に対応をお願いしている医療機関もあれば、その医療機関の看護師が行うこともあります。
では、訪問看護におけるエンゼルケアとはどんなものなのか?ここからは、訪問看護ステーション リカバリーの管理者 柴山さんに伺ったお話も交えて紹介いたします。

 

2 訪問看護におけるエンゼルケア

エンゼルケアの処置内容は、病院でも在宅であっても大きく変わりはありません。しかし、どちらも経験する看護師に訪問看護ならではのエンゼルケアの特徴について尋ねると、訪問看護のエンゼルケアでは

①(エンゼルケア中の)時間の流れがゆるやかに感じる
②在宅死の場合は本人やご家族の希望を尊重しやすい
③看護師からご家族への声かけが大切

という声が聞かれました。

 

2-1 時間の流れがゆるやかに感じる訪問看護でのエンゼルケア

柴山さんの経験では、病棟勤務の頃はご家族が立ち会わずエンゼルケアをする機会もあったと振り返ります。しかし、訪問看護師になった今、エンゼルケアを家族と共に行うかどうかについては「ほとんど、ご家族と思い出話をしたりしながら、一緒に行います」とのこと。ご家族と「どんなお父様・お母様でしたか?」といった思い出話をしながらケアを行うこともあり、グリーフケアとしての時間にもなっていることから、時間のながれの緩やかさを感じると言います。

 

2-2 本人やご家族の希望を尊重しやすい

訪問看護におけるエンゼルケアでは、ご本人の生前のお姿を尊重したケアを行いやすく、身にまとう衣服も、メイクも、ご本人やご家族の希望に応えやすいという点があります。女性の方が亡くなられた場合、ご本人がお使いになられていたメイク道具を使い、エンゼルメイクを行うこともあります。衣服については、入院中の方の場合、入院時にお持ちになられた服からご家族に選んでいただくことがありますが、在宅では家にある衣服からお選びいただくことができます。男性であればワイシャツにスラックス、好んでつけたベルトを通したりすることもあります。
柴山さんが経験した中では「最期にお気に入りの着物が着たい」という方もいらっしゃったそうです。「担当していたケアマネージャーさんに、最期に着たい着物も決めて、お伝えされていました。そのケアマネージャーさんが、たまたま着付けができる方だったので、亡くなられた後にケアマネージャーさんと一緒に、希望の着物を着せてあげることができました」

 

2-3 看護師からご家族への声かけの大切さ

ご本人の希望に応じた療養生活を送るために、訪問看護師が環境調整などでリードしていくシーンがありますが、エンゼルケアにおいても例外ではありません。ご家族の中には、ご遺体は触れてはいけないもの、と思われている方もおられるため、エンゼルケアの際には「最期の関わりになると思いますので、ご一緒にいかがでしょうか」というように看護師からご家族へお声がけをさせていただき、一緒にエンゼルケアを行うことがあります。また、在宅で亡くなられると医師の死亡診断や遺体の安置、葬儀会社の手配などでご家族が不安を抱える場面も多いので、看護師からの今後の流れについてや声掛けも大切にしています。

 

訪問看護でのエンゼルケア、参考になりましたでしょうか?
これからも利用者様とご家族の希望を叶える最善のケアを提供できるよう、日々学びを怠らないようにしていきたいと思います。

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