有料老人ホームの看護師の仕事内容|施設種類ごとの実態と給与を解説

有料老人ホームの看護師の仕事内容|施設種類ごとの実態と給与を解説

「有料老人ホームの看護師って、ふつうの看護師とどう違うのかな?」

有料老人ホームで働く看護師の日々の仕事は、具体的には下記一覧のようになります。

健康管理をはじめとする看護・医療行為

生活を維持・向上させるための介護行為

・バイタルチェック
・点滴
・注射
・服薬管理
・褥瘡処置
・血糖測定
・摘便
・浣腸
・胃ろう、腸ろうの管理
・カテーテル、ストーマの管理
・経管栄養の管理
・酸素療法の管理
・介護職への指導(感染管理、看取り時の対応、ポジショニングなど)
・痰の吸引
・経管栄養
・軽微な切り傷、擦り傷、やけどなどの処置
・湿布の貼付
・点眼薬の点眼
・鼻腔粘膜への薬剤噴霧
・爪切り、爪やすり
・口腔ケア
・耳垢の除去

・食事介助
・排泄介助
・入浴介助
・移乗介助
・服薬介助
・内科や歯科の定期的診断の補助
・外来受診の同行
・入退院時の同行
・急変時の対応
・エンゼルケア
・ケアプラン
・レクリエーションの企画や運営

一般的な病棟勤務の看護師との違いをひと言で表すと「相手が患者ではなく入居者であること」と言えます。

高齢者専用の施設とは言っても、高齢者専用の病院というわけではないため、基本的には健康管理をはじめとして日々の生活のサポートをすることが、業務のメインになります。

とはいえ、有料老人ホームの種類によっては、その仕事内容や働き方は少しずつ異なってきます。

自分が働こうとしている有料老人ホームがどんな施設なのか、入居者はどのような状態なのかなど、事前に理解しておくことで、「思っていたのと違う」という結果にならないようにしたいものです。

そこでこの記事では、有料老人ホームへの再就職や転職をお考えのあなたのために、有料老人ホームで働く看護師の業務内容や職場環境、一日の業務スケジュールなど、再就職や転職を考えるあなたに必要な情報をわかりやすくお伝えします。

<この記事を読めばわかること>

  • 有料老人ホームの看護師の仕事内容と職場環境
  • 有料老人ホームの看護師の一日のスケジュール
  • 有料老人ホームの種類と入居者の健康状態
  • 有料老人ホームの看護師の給与
  • 総合病院やクリニックの看護師との違い
  • 有料老人ホームで働く場合に検討したい資格や研修
  • 有料老人ホームの看護師のメリットとデメリット
  • 有料老人ホームの看護師が向いている人

記事を読めば、有料老人ホームの看護師についてしっかりとイメージをつけることができるので、新しいスタートがきっとスムーズに運ぶことでしょう。

採用情報

目次

1.有料老人ホームの看護師の仕事内容

冒頭でもお伝えした通り、有料老人ホームでの看護師の主な仕事は、入居者の日々の健康管理となります。

病棟と異なり、モニターによるバイタル管理などをしていないことから、入居者それぞれの顔色や表情、声などのリアルな情報を見て、コミュニケーションを取ることが重要です。

次の項から、有料老人ホームで働く看護師の仕事について、具体的に見ていきましょう。

1-1.有料老人ホームの看護師が行う業務は2種類ある

有料老人ホームにおいて看護師が行う業務は、大きく2種類あります。

  • 入居者の健康管理をはじめとする看護・医療行為
  • 入居者の生活を維持・向上させるための介護行為

それぞれの業務は以下のような内容になります。

健康管理をはじめとする看護・医療行為

生活を維持・向上させるための介護行為

  • バイタルサインチェック
  • 点滴
  • 注射
  • 服薬管理
  • 褥瘡処置
  • 血糖測定
  • 摘便
  • 浣腸
  • 胃ろう、腸ろうの管理
  • カテーテル、ストーマの管理
  • 経管栄養の管理
  • 酸素療法の管理
  • 介護職への指導(感染管理、看取り時の対応、ポジショニングなど)
  • 痰の吸引
  • 経管栄養
  • 軽微な切り傷、擦り傷、やけどなどの処置
  • 湿布の貼付
  • 点眼薬の点眼
  • 鼻腔粘膜への薬剤噴霧
  • 爪切り、爪やすり
  • 口腔ケア
  • 耳垢の除去
  • 食事介助
  • 排泄介助
  • 入浴介助
  • 移乗介助
  • 服薬介助
  • 内科や歯科の定期的診断の補助
  • 外来受診の同行
  • 入退院時の同行
  • 急変時の対応
  • エンゼルケア
  • ケアプラン
  • レクリエーションの企画や運営

実際に行う仕事は入居者の健康状態、要介護度のレベルによっても少しずつ異なりますが、介護職員が現場で一緒に働いて役割分担ができることで、看護・医療業務に専念できることが多いでしょう。

さらに、看護・医療業務の中でも、介護職員の技能ややり方によっては、簡単な医療行為の一部を介護職員に任せることもできます。

とはいえ、医療資格を持たない介護職員に医療行為を任せるにあたり、どんな業務なら分担ができ、分担するにあたりどんな注意が必要になるかなど、次項以降で詳しく説明していきます。

 

1-2.有料老人ホームで看護師だけが行うことができる業務

看護・医療業務の一部については、介護職員に分担できるものもあるとお伝えしましたが、まずは看護師だけが行うことのできる業務から見ていきましょう。

看護師のみが行うことのできる行為

  • 点滴
  • 注射
  • 服薬管理
  • 褥瘡処置
  • 血糖測定
  • 摘便
  • 浣腸
  • 胃ろう、腸ろうの管理
  • カテーテル、ストーマの管理
  • 経管栄養の管理
  • 酸素療法の管理
  • 介護職への指導(感染管理、看取り時の対応、ポジショニングなど)

医療的な判断を含むものや、身体の内部に入るものの管理については、看護師が行うものになります。

この内容を踏まえた上で、介護職員に分担できる医療行為の内容を見ていきましょう。

1-3.看護師が行う業務の中で介護職員に分担できる仕事

有料老人ホームで、介護職員に分担することのできる看護・医療行為については、大きく3つの分野に別れます。

・どの介護職員にも分担することのできるもの

・条件付きで介護職員に分担することのできるもの

・研修を終えた介護職員に分担することのできるもの

それぞれの具体的な内容や、分担するにあたって注意するべきことなどを見ていきましょう。

1-3-1.どの介護職員にも分担することのできる行為

有料老人ホームでは、自動測定器や市販薬を用いるもの、異常のない体表面のケアなど、以下の行為については、看護師でなくても介護職員のだれでもできる行為とされています。

どの介護職員にも分担することのできる行為

  • 体温計での体温測定
  • 自動血圧計測定器での血圧測定
  • 動脈血酸素飽和度測定器の装着
  • 軽微な切り傷、擦り傷、やけどなどの処置
  • 汚物で汚れたガーゼの交換
  • 爪切り、爪やすり
  • 口腔ケア
  • 耳垢の除去
  • ストーマ装具のパウチにたまった排泄物の処理
  • 自己導尿補助のためのカテーテルの準備と体位の保持
  • 市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器を用いての浣腸
  • 自己導尿補助

施設の方針や入居者の状態によっては、毎朝のバイタルサインチェックを、介護職員が機器を使ってすべて済ませてしまうこともできるのです。

もちろん、データから医療的な判断をするのは医師や看護師の役目になりますが、チェックや記録そのものは、職員や入居者の数によって柔軟に分担することが可能な行為です。

1-3-2.条件付きで介護職員に任せることのできる医療行為

医薬品の使用は、本来であれば医療行為であり、有資格者だけができるものですが、以下の行為は一定の条件の下であれば介護職員が行うことができます。

条件付きで介護職員に任せることのできる医療行為

  • 軟膏の塗布
  • 湿布の貼付
  • 点眼薬の点眼
  • 一包化された内用薬の内服
  • 座薬の挿入
  • 鼻腔粘膜への薬剤噴霧

市販薬ではない医薬品について、介護職員が入居者に対して使用することができる条件は、以下のように定められています。

■入居者の健康状態について、医師や看護職員が以下を確認している

①容態が安定していて治療の必要がない

②投薬量の調整や副作用の危険がなく、連続的な経過観察の必要がない

③専門的な配慮が必要な場合ではない

どの有料老人ホームでも、看護師の数はあまり多くはないため、入居者が上述の条件の状態であれば、塗布や貼付などの物理的作業は、介護職員に依頼することができます。

1-3-3.研修を終えた介護職員に任せることのできる医療行為

一般の介護職員であっても、以下の医療行為については、それぞれに研修を受け知識や技術を習得することで行うことができます。

また、介護福祉士の資格を持つ職員であれば、養成課程ですでに研修を受けているので、任せることができます。

研修を終えた介護職員に任せることのできる医療行為

  • 痰の吸引
  • 経管栄養

施設によっては、有資格者である看護師の夜勤を避けるため、積極的に介護職員に上記の研修を受けさせるところもあります。

これまで見てきたように、有料老人ホームでは、介護業務だけでなく医療行為についても介護職員に任せられる場合が数多くあります。

しかし、有料老人ホームでは多職種の仲間がチームで仕事をするため、基本的には互いに職種による線引きをせず、臨機応変に介護・看護の業務を自発的に行うことが大切です。

参考:厚生労働省『医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)』

1-4.有料老人ホームの看護師にはレクリエーションの企画と運営がつきもの

有料老人ホームで看護師として働くにあたり、業務内容のひとつで特にあげておきたいのが、レクリエーションの企画と運営について。ほとんどの有料老人ホームでは、レクリエーションの企画と運営がついて回ります。

多い施設では毎日2回、一般的な施設でも週に2〜3回のレクリエーションが開催されます。

レクリエーションの目的は主に以下の4つです。

①身体機能の維持向上

②脳の活性化

③入居者同士の交流

④生きがい

外部講師を招いたり、入居者の中で師範クラスの人が講師となったりしながら、体操や音楽、楽器、手芸、料理などのプログラムを10分から1時間程度で行います。

できるだけ多くの入居者が参加しやすいように日々工夫をするのも、有料老人ホームならではの業務と言えます。


2.有料老人ホームの看護師の職場環境

有料老人ホームで看護師として働くにあたり、その職場環境がどんなものなのか、押さえておきたいですね。

勤務形態と、一緒に働く仲間について知っておきましょう。

2-1.有料老人ホームで働く看護師の勤務形態

有料老人ホームには、夜間もだれかしら職員が常駐しなければいけない施設と、特に夜間常駐の規定のない施設とがあります。そこで働く看護師に夜勤があるかどうかも、有料老人ホーム自体の種類や施設方針によって異なります。

24時間体制での看護を必要とする入居者は受け入れないという施設もありますし、「24時間完全看護」をうたう施設では、当然夜勤が発生します。

入居者数が80〜100名の大型有料老人ホームでは、24時間看護師が常駐するケースが多い傾向があります。

夜勤のない施設では、早出(7:00〜16:00)や遅出(10:00〜19:00)といった勤務形態で、朝・夕食前の対応をすることもあります。

夜勤がなくてもオンコールで緊急対応する場合もありますので、あらかじめオンコールの有無と手当などを確認しておきましょう。

2-2.有料老人ホームで看護師と一緒に働くスタッフ

有料老人ホームで働くスタッフというと、介護職員については業務分担などもすでにお伝えしたので、イメージがつきやすいでしょう。

そのほかに、どんな職種の仲間と一緒に働くことになるのか、見ていきましょう。

まず特筆しておきたいのは、すべての有料老人ホームにおいて、医師の配置が義務ではないこと。そのため、基本的に提携する外部医師と連携を取り、医療行為の指示を仰ぐことになります。

外部医師との連携もさることながら、有料老人ホームでは以下のさまざまな職種や専門家と一緒に働きます。

  • 管理者
  • 生活相談員
  • ケアマネージャー
  • 栄養士
  • 調理員
  • 介護福祉士
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士
  • 柔道整復師
  • あん摩マッサージ指圧師

それぞれの専門家と話し合い、協働して入居者の健康管理を進めていきます。

ケアプランを入居者ごとに作成し、リハビリや介護の必要に応じて、それぞれの生活リズムを組み立てていくのです。

入居者の数や要介護のステージにもよりますが、「同じ職場で働く看護師」の数はあまり多くありません

看護師というと女性の多い職場というイメージが付きものですが、有料老人ホームにおいては、職員の男女比は半々ほどになります。


3.有料老人ホームの1日のスケジュール例

有料老人ホームでの、一般的な一日の勤務スケジュールを紹介します。

■通常日勤の場合

8:30

業務開始

申し送り、情報収集をしてから昼の胃ろうや内服薬の準備をします。

9:00

巡回(看護・介護)

バイタルチェック、内服の確認、胃ろう注入、吸引、口腔ケア、以上解除、カルテ記入などをします。

11:00

入用前後のケア

健康状態の確認と記録、必要に応じた処置をします。

12:00

昼食時の見守り・介助

食の進み方や咀嚼などに注意しつつ、世間話をしながら入居者の健康状態を観察します。

13:00

休憩

14:00

レクリエーションまたは会議

司会進行や散歩の同行をしたり、入居者の健康状態やリハビリの進み具合などについて他の職員と共有します。

15:00

準備・記録

夕と朝の胃ろう準備、内服薬の確認、カルテの記入などをします。

17:00

申し送り

遅番や夜勤担当への申し送りをします。

17:30

業務終了

■24時間体制下での夜勤の場合

17:00

業務開始

申し送り、情報収集をしてから胃ろうや内服薬の準備をします。

18:00

夕食時の見守り・介助

胃ろう注入、誤嚥防止の見守りなどをします。

19:30

口腔ケア・服薬介助

トイレの誘導や排泄・着替えの介助なども行います。

21:00

消灯

交代で休憩を取りながら、定期的に巡回を行いカルテを記入します。

6:00

起床

着替えや排泄の介助などをします。

7:00

朝食準備

胃ろうや内服薬の準備をします。

7:30

朝食時の見守り・介助

胃ろう注入、誤嚥防止の見守りなどをします。

8:30

申し送り

日勤スタッフへの申し送りをします。

9:00

業務終了

医師が常駐していない有料老人ホームでは、入居者の健康状態の観察と、変化があった場合の迅速な処置がまず看護師に求められます。

健康状態の変化は、入居者本人の観察だけでなく、ほかの職員や入居者の家族から気づかされることもありますので、毎日たくさんの人とコミュニケーションをしながら業務を進めていきます。


4.看護師として働く上で知っておくべき有料老人ホームの種類

有料老人ホームとは、主に民間企業が運営している高齢者向け施設です。下記のいずれかまたは複数のサービスを提供している施設を指します。

①食事

②介護

③家事の供与

④健康管理

そして入居時に入居金がかかることから「有料」老人ホームと呼ばれ、入居金のかからない公的施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設、軽費老人ホーム)と区別されています。

入居金のほか、月額費用として15〜50万円かかり、そのサービス内容や入居者数は施設によってさまざまです。

一般的に有料老人ホームと言われる施設には、大きく以下の4つがあります。

  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住居型有料老人ホーム
  • 健康型有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者住宅

それぞれで入居している高齢者の目的や健康状態も異なるため、看護師の仕事内容や職場環境はまったく同じというわけではありません。

まずは一覧で、有料老人ホームの種類について確認しましょう。

種類

特徴

介護付き
有料老人ホーム

有料老人ホームのうち、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設

住宅型
有料老人ホーム

有料老人ホームのうち、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けていない施設

健康型
有料老人ホーム

ほとんどの家事をスタッフに依頼できる、シニアライフを楽しむための自立した高齢者向け施設

サービス付き
高齢者住宅

①安否確認、②生活相談のうちいずれかのサービスを提供するバリアフリー住宅

※サービス付き高齢者住宅は、厳密には有料老人ホームとは別の定義付けがされているものの、実際にはその97%以上の施設で有料老人ホームの要件となる「①食事提供」をしていることから、この記事では有料老人ホームの類として紹介します。

さらに、受け入れ入居者の健康状態についての条件も、有料老人ホームの種類やそれぞれの施設方針によって異なります。

種類

入居者の状態

自立

要支援

要介護

介護付き
有料老人ホーム

施設によっては
受け入れない

施設によっては
受け入れない

住宅型
有料老人ホーム

健康型
有料老人ホーム

受け入れない

受け入れない

サービス付き
高齢者住宅

それぞれの有料老人ホームの環境と、そこで働く場合の看護師業務に関わるポイントを詳しく見ていきましょう。

参考:

厚生労働省 社保審-介護給付費分科会 令和2年『特定施設入居者生活介護』

厚生労働省『令和2年度介護事業経営実態調査結果』

公益社団法人全国老人保健施設協会『介護老人保健施設における医療提供実態等に関する調査研究事業 報告書』

4-1.介護付き有料老人ホームの特徴

種類

入居者の状態

自立

要支援

要介護

介護付き
有料老人ホーム

施設によっては
受け入れない

施設によっては
受け入れない

介護付き有料老人ホームとは、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている高齢者施設です。厚生省の調べでは、令和1年6月末時点で全国に4,629施設あり、有料老人ホーム全体の21.5%ほどにあたります。

24時間スタッフが常駐し、掃除や洗濯など身の回りの世話や、食事や入浴、排せつなどの介助サービスが受けられるもので、主に民間企業が運営しています。

民間運営のため、基本的な基準を満たしてさえいれば、サービス内容や居室・設備等のグレード、立地など、ホームによってその中身は大幅に異なります。

要介護5という最も重い介護ステージになっても入居していられるため、終の棲家となることが多い施設です。

ここで働く看護師については、一定人数の配置が義務付けられています。

①要支援者:看護・介護職員=10:1 

②要介護者:看護・介護職員=3:1 

※ ただし看護職員は要介護者等が30人までは1人、30人を超える場合は、50人ごとに1人。

※ 夜間帯の職員は1人以上。

なお、入居者の安全のため「2.5:1」以上の手厚い人員配置を行っている有料老人ホームには、介護費を料金に上乗せして入居者から徴収することが認められているため、高級有料老人ホームほど全体の職員人数が多い傾向があります。

施設あたりの入居者数

平均 59.2人

看護師・介護職員一人当たりの入居者数

平均 2.7人

<介護付き有料老人ホームの特徴まとめ>

  • 24時間スタッフが常駐
  • 看護/介護職員の最低配置人数が決められている
  • 夜勤がある場合がある

4-2.住居型有料老人ホームの特徴

種類

入居者の状態

自立

要支援

要介護

住宅型
有料老人ホーム

住居型有料老人ホームとは、食事、洗濯、清掃等の生活支援サービスが付いた高齢者専用の居住施設です。厚生労働省の調べでは、令和1年6月末時点で全国に10,029施設あり、有料老人ホーム全体の78.4%を占めています。

住居型有料老人ホームのスタッフは、介護サービスをしません。入居者が要介護となった場合は、訪問介護などの在宅サービス事業所と入居者が直接契約し、そこのスタッフによる介護サービスを受けながら生活を続けます。

そのため、看護師は住居型有料老人ホームに勤務するわけではなく、併設されている訪問介護事業所やデイサービス、居宅介護支援事業所といった名称の、在宅サービス事業所に勤務することになります。

サービス事業所からの訪問看護という形で日中に業務をするため、基本的に夜勤や残業はありません

医師、看護師、介護福祉士とも、法令で定められた配置義務は特になく、介護サービスの安定的な提供に支障がない範囲であれば、職員体制は施設の自由裁量に任せられています。

人手不足ギリギリの配置人数であっても法令による罰則がないので、人員の入れ替わり時期などは業務が増えることもあるでしょう。

施設あたりの入居者数

平均 29.2人

看護師・介護職員一人の訪問回数

一契約者あたり平均 71.3回/年

<住宅型有料老人ホームの特徴まとめ>

  • 施設スタッフによる介護サービスなし
  • 夜勤や残業なし
  • 職員の最低配置人数が決められていないので施設によって業務の多寡にばらつきがある

4-3.健康型有料老人ホームの特徴

種類

入居者の状態

自立

要支援

要介護

健康型
有料老人ホーム

受け入れない

受け入れない

健康型有料老人ホームは、高齢者の日々の家事を代行し、シニアライフを楽しむための娯楽色の強い施設です。自立あるいは要支援状態の高齢者しか入ることができず、要介護状態になった入居者は退去します。施設数は、有料老人ホーム全体の1%に満たないほどしかありません。

定期的な健康管理や必要に応じた簡単な治療は、近隣の提携医療機関から受けられるようになっているため、健康型有料老人ホームに看護師として勤務することはありません

4-4.サービス付き高齢者住宅(サ高住)の看護師の場合

種類

入居者の状態

自立

要支援

要介護

サービス付き
高齢者住宅

サービス付き高齢者住宅は、主に民間事業者が運営するバリアフリー対応の賃貸住宅で、安否確認と生活相談のどちらかのサービスを提供するものです。全国に7,604施設あり、その数は年々増え続けています。

介護認定されていない自立した高齢者から要支援・要介護の高齢者まで、施設によって受け入れ可能な入居者は異なります

基本的には住居型有料老人ホームと同様に、日中の訪問看護でそれぞれの契約者に合った健康管理や処置をします。サービス事業所からの訪問看護という形で日中に業務をするため、夜勤や残業はありません

しかしサービス付き高齢者住宅であっても、一部の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設では、夜間の処置をするため夜勤をする場合があります。

サービスの提供内容や、職員の配置人数も定められていないため、施設によって勤務形態や業務内容が大きく異なるでしょう。

<サービス付き有料老人ホームの特徴まとめ>

・夜勤の有無は「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設かどうかによる

・サービス内容も職員の配置人数も施設によってばらつきがある


5.有料老人ホームの看護師の給与

有料老人ホームの施設種類によって、給与は異なるものでしょうか?

厚生労働省発表の資料を元に一覧にまとめましたので、再就職や転職時の条件目安としてご覧ください。

介護付き
有料老人ホーム

正看護師

常勤

427,972円

非常勤

375,101円

准看護師

常勤

375,933円

非常勤

342,629円

住宅型
有料老人ホーム

正看護師

常勤

440,368円

非常勤

369,186円

准看護師

常勤

352,006円

非常勤

319,074円

サービス付き
高齢者住宅

正看護師

常勤

377,981円

非常勤

328,115円

准看護師

常勤

322,132円

非常勤

309,272円

参考:厚生労働省『令和2年度介護事業経営実態調査結果 』

意外なことに、夜勤が多いと思われる介護付き有料老人ホームよりも、住宅型有料老人ホームの方が常勤看護師の平均的な給与は高い傾向があります。

参考までに、公的施設の看護師給与も掲載しておきます。

特別養護
老人ホーム

正看護師

常勤

422,652円

非常勤

375,894円

准看護師

常勤

382,542円

非常勤

349,664円

介護老人保健施設

正看護師

常勤

448,962円

非常勤

362,987円

准看護師

常勤

382,799円

非常勤

334,143円

介護療養型
医療医院

正看護師

常勤

437,297円

非常勤

358,567円

准看護師

常勤

370,201円

非常勤

315,847円

介護医療院

正看護師

常勤

448,365円

非常勤

358,796円

准看護師

常勤

402,541円

非常勤

311,330円

参考:厚生労働省『令和2年度介護事業経営実態調査結果 』

公的施設か民間かによって、給与に大きな差はないようです。しかし公・民を合わせて見てみても、サービス付き高齢者住宅の「常勤看護師」給与だけが40万円台に届かないことからも、施設によってサービス内容や勤務形態に幅があると言えます。

勤務先候補としてお考えの際は、第1章の業務内容や第2章の職場環境などをいま一度読み返し、実際の状況を事前によく調べておくと良いでしょう。

なお、この数字は年間の給与支出総額から換算したものなので、実際に受け取る額面とは異なりますのでご注意ください。

6.他医療施設の看護師との働き方の違い一覧

有料老人ホームの看護師の職場環境や仕事の負担は、総合病院やクリニックなど、ほかの医療施設の看護師と比べてどんな違いがあるのでしょうか。

再就職や転職を考えている方は、それぞれの特徴を踏まえつつ、自分の向き・不向きの参考にしてください。

6-1.有料老人ホームと総合病院の違い一覧

有料老人ホーム

総合病院

夜勤

施設による

あり

残業

少ない

多い

休日出勤

施設による

あり

オンコール

施設による

あり

負担

肉体的・精神的負担とも少なめ

肉体的・精神的負担とも多い

メリット

・プライベートが確保できる

・基本的に元気な人と関われる

・さまざまな経験を積むことができる

・担当患者に専念できる

・給料が高い

デメリット

・医療ケアの判断を任される

・関わる相手が多い

・緊張感がある

・勤務時間が長い

・生活が不規則になる

総合病院では夜勤や残業が多いため、給与は高い傾向があります。給与は一般的に負担の大きさに比例するものなので、それだけ肉体的にも精神的にも負担が多いことの表れと言えましょう。


担当患者に専念するか、毎日多数の人と関わるかなどは、自分の性格や好みにもよって、メリットにもデメリットにもなりえます。将来設計なども合わせて考えると良いでしょう。

6-2.有料老人ホームとクリニックの違い一覧

有料老人ホーム

クリニック

夜勤

施設による

施設による

残業

少ない

ほぼない

休日出勤

施設による

ない

オンコール

施設による

施設による

負担

肉体的・精神的負担とも少なめ

肉体的・精神的負担とも少ない

メリット

・プライベートが確保できる

・基本的に元気な人と関われる

・プライベートが確保できる

・急変応対がほとんどない

デメリット

・医療ケアの判断を任される

・関わる相手が多い

・給料が低い

・看護業務以外の雑用が多い

・人間関係が濃密

クリニックでも、病床を持っているかどうかで夜勤やオンコールがある場合があります。勉強会などがないため休日出勤はありませんが、人数が少ないことから人間関係が濃密になったり、体調不良などによる突発的な休みが取りにくい傾向があります。

どちらも基本的にプライベートは確保しやすいので、自分が現場でどのように働きたいかを具体的にイメージすると良いでしょう。


7.有料老人ホームの看護師を検討する上であると便利な資格や研修

これまで見てきた通り、有料老人ホームとひと口に言っても、施設の種類によって、入居者の要介護度によって、また施設そのものの方針によっても、業務内容や勤務形態、職場環境が異なってきます。

再就職や転職を考えている場合は、その施設の入居者の募集要項や職員数などにも合わせて目を通すことで、職場の環境や入居者の状態を把握することができるので、調べてみましょう。

要介護度のレベルと認知症患者の受け入れ有無を知ることで、必要なケアや、あると強みになる資格や研修があります。

ここでは有料老人ホームで働くにあたり、あると便利な資格や研修を紹介します。

■介護支援専門員

一般に、ケアマネージャーと呼ばれる仕事です。

住宅型有料老人ホームなどで契約者の訪問看護をする際に、看護と介護全体を通じたケアプランを作成・調整することができます。

■認知症ケア専門士

認知症への理解と認知症の入居者に対する介護技術の専門家として、正しいケアを行うことができます。

看護師がこの資格を持つことで、重要なポストを任されることもあります。

■特定看護師

特定行為ごとに特定行為研修を修了することで、高度な知識や判断力があると評価されるものです。

あらかじめ医師が作成した指示書をもとに、自分の判断で診療補助を行うことができます。介護のすべての現場で期待される技能です。

どの資格や研修も、いますぐに役立つばかりでなく、将来的なキャリアアップにもつながるものです。いま現在持っていなくても、プライベートの時間を活かして、働きながら身につけることをおすすめします。


8.有料老人ホームの看護師になるメリットとデメリット

第5章の一覧でお伝えしましたが、有料老人ホームで看護師として働く場合のメリットと、起こりうるデメリットについて、それぞれ詳しくお伝えします。

8-1.有料老人ホームの看護師になる3つのメリット

仕事の大半が入居者の日々の健康チェックと服薬・経管等の管理になることから、総合病院と比べて業務負荷の軽い有料老人ホームの看護師。

具体的なメリットをいくつかご紹介します。

■プライベートが確保できる

夜勤のないところも多いため、生活が不規則になりにくいです。小さなお子さんを抱えている方は、仕事と家庭の両立が実現できます。将来的に妊娠や出産を考えている方にも働きやすい職場と言えるでしょう。

残業時間も多くはないため、約束に遅れたりキャンセルしたりする場面も少ないでしょう。

■基本的に元気な人と関われる

高齢者が入居する施設ではありますが、重篤な病気を抱えている方が少ないため、高度な医療処置を求められる機会はあまりありません。

精神的なプレッシャーが少なく、本人から直接感謝されることの多い職場です。

■今後も需要が経ることがない

介護領域での専門的な知識や経験を積むことで、将来的にもさらに求められる人材になることができます。施設数の増加に伴い求人も多数あるため、転居先でも仕事を続けられます。

プライベートの時間を活用して、第7章で紹介した資格をすれば、年齢を重ねても指導者の立場として働き続けることも可能です。

8-2.有料老人ホームの看護師になる2つのデメリット

有料老人ホームで働くにあたって、事前によく考えておきたいデメリットのこと。

自分の向き不向きや今後のキャリア形成と照らし合わせてよく考えることで、不安を解消しておきましょう。

■医療ケアの判断を任される

ひとつの施設あたりの看護師の人数は、あまり多くありません。時間帯ごとに一人、または全体で一人だけと言う小さな施設もあるでしょう。大きなやりがいを得られる反面、入所したばかりだと、責任の大きさをプレッシャーに感じることもあるかもしれません。

基本的に、医療ケアのサポートは医師から指示を受けているものなので、それに従って判断すれば問題はないでしょう。

■関わる相手が多い

入居者に加えて、外部の医師、施設管理者、生活相談員、栄養士、調理員、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、入居者の家族、…と、いろいろな立場の人たちと日々コミュニケーションを重ねます時には意見の対立もあるかもしれません。

「入居者の健康と笑顔」という目的を失わず、チームの一員としてそれぞれの立場や業務に敬意を払うことを忘れずにいれば、まず問題はありません。


9.有料老人ホームの看護師が向いている人

これまで、有料老人ホームの特徴やそこで働く看護師に求められる役割などを見てきましたが、実際に有料老人ホームの看護師が向いているのは、どんな人でしょうか。

性格的な面に加えて、看護師としてどういう風に相手と関わるかなども考慮し、有料老人ホームの看護師をおすすめするのは以下のような人です。

  • たくさんの人と関わるのが好きな人
  • 時間をかけて信頼関係を築きたい人
  • ターミナルケアに興味のある人
  • 家事や育児との両立をしたい人

順に詳しく説明していきましょう。

9-1.たくさんの人と関わるのが好き

入居の高齢者を含め、たくさんの人とコミュニケーションを取るのが得意な人、好きな人は、有料老人ホームでの仕事を楽しみながら行えるでしょう。高齢者施設というと、周囲には常に高齢者しかいないと思いがちですが、内外のスタッフや入居者の家族など、老若男女かかわらず意外といろいろな年代の人がいます

また、それぞれの専門家と調整しながら進めるチーム医療も、コミュニケーションが好きな人には魅力的に感じる点と言えます。

9-2.時間をかけて信頼関係を築きたい人

有料老人ホームの入居者は、基本的に「患者」ではなく、ほとんどが容態の安定した元気な高齢者です。入居者とは長期間の関係を築いていくことになるため、日々の関わりで信頼が重なっていくことにも喜びを覚えられるでしょう。

9-3.ターミナルケアに興味がある

人生の残り時間を自分らしく過ごし、満足して最期を迎えられることを目指すターミナルケア。人間の尊厳や、延命治療の副作用についてなど考えたことのある人なら、有料老人ホームでの看護師の仕事は一考に値します。

身近にいながら医療知識と技術を持つ看護師は、入居者に大きな安心を与えられる、心強い存在です。有料老人ホームでの業務は、自身も大きなやりがいを感じられる場面があるでしょう。

9-4.家事や育児との両立をしたい人

第8章でもメリットとしてお伝えしましたが、総合病院と比べてプライベートが確保しやすいため、仕事と家庭の両立をしたい人にはおすすめです。夜勤のない施設を選べば生活も不規則にならないため、将来的に妊娠や出産を希望している人にも、身体的な負担が軽くて良いでしょう。


まとめ

今回は、有料老人ホームで働く看護師のお仕事について解説しました。

有料老人ホームでは、看護・医療業務のほかに、介護業務も行うことがあります。

介護職員をはじめ、たくさんの専門職種のスタッフと協働するため、職種による線引きをせず、積極的に連携をとって業務に当たる姿勢が大切だということをお伝えしました。

また、ひと口に有料老人ホームと言っても、その施設や種類によって勤務形態も入居者の健康状態も異なることがわかりました。

実際に有料老人ホームへの再就職や転職を考えている方は、求人情報だけでなく、希望する施設の入居者についての募集要項なども参考にしてください。

介護施設での経験は、今後も需要が減ることのない市場なだけに、働きながら資格を取得するなどして、さらなるキャリアアップも可能です。

この記事が、あなたの有料老人ホームでの看護師としてのキャリアスタートに役立ちますように。

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