看護師がパワハラを受けた時に絶対残してほしい3つの記録と対処方法

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看護師がパワハラを受けた時に絶対残してほしい3つの記録と対処方法

看護師の職場では、パワハラが広く横行していることが知られています。

医師の医療行為の補助という立場や、常に緊張感のある職場という背景からパワハラの傾向が強くなっていることは確かです。

しかし、パワハラの被害にあった場合にどのような対処方法があるのかはあまり知られておらず、実際に精神的に病んでしまって社会復帰するまでに長い時間を要する人も多いでしょう。

特に新人看護師は「最低3年働かなくてはいけない」「お礼奉行があるから辞められない」等の理由から標的になりやすいです。

今回は看護師が実際にパワハラを受けたときに絶対に残すべき3つの記録と、対処方法をご紹介します!

採用情報

1 看護師が受ける代表的なパワハラ6つ

パワハラとは、『同じ職場で働く者に対し、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える行為、または職場環境を悪化させる行為』のことを指しており、Power Harassment(パワーハラスメント)という和製英語を略したものです。

看護師が職場で受けるパワハラを大きく分けると次の6つになります。

・精神的攻撃 

・身体的攻撃 

・個の侵害 

・人間関係の切り離し

・過度の要求

・過少の要求 

それでは一つずつ、内容の説明と具体的な例を上げてみていきましょう。

1-1 精神的攻撃 

暴言過剰なまでの叱責侮辱無視などが精神的攻撃になります。

ex.)「朝礼など人目の多いところで人間性を否定された」「私物を隠された」など、直接手を下さずに相手を精神的に追い詰める行為が該当します。

1-2 身体的攻撃

殴る蹴る突き飛ばすといったものが身体的攻撃です。

ex.)「すれ違いざまに故意に肩を当てられた」「ものを投げつけられた」など、身体に危害を加える行為が該当します。

1-3 個の侵害

プライベートへの過干渉個の侵害に当たります。

ex.)私用携帯を覗く休日の過ごし方をしつこく聞いてくる等のプライベートへの過剰な干渉

※「彼氏はいるのか」「結婚はまだか」といった内容もパワハラに当たりますが、セクハラとして扱われることもしばしば。

1-4 人間関係の切り離し

無視隔離によって職場環境からの孤立を仕向けるような行動を指します。

その職場で働く上で重要な事項を伝えないことにより不利益が発生した場合もこれにあたります。

ex.)「申し送りを無視された」「勉強会の連絡事項を教えてもらえなかった」など。

1-5 過度の要求

業務上明らかに不要であることや、遂行不能とわかっている業務を強要する行為を指します。

極端に業務量を増やしたり、本来該当しないインシデントであってもレポート提出を求めることや、反省文を何十枚にも渡り書かせることも該当します。

1-6 過少の要求

能力に見合わない簡単な作業ばかりを求められる勤務時間に対して少なすぎる業務量しか与えられないことです。

よくある例では「受け持ちゼロで事務作業しかさせてもらえない」「配膳・下膳ばかり押し付けられる」「看護には関係ない雑用ばかり」といったものが挙げられます。


2 「パワハラを受けた!」と感じたら残すべき記録3つ

もしパワハラを受けたと思ったら、まずは必ず証拠を集めておきましょう。

どのような選択をするにしても、証拠を集めておかないと不利な条件を突きつけられてしまうことがあるからです。
また、誰かに相談するときもどんな行為を受けたのか時系列で伝えられるので役に立ちます。

パワハラを受けた看護師が残すべき記録は次の3つです。

・日記をつける

・写真を撮る

・録音をする

地道な作業になりますが、これらの証拠はあなたが行動を起こすときに絶対に役に立ち、身を守ってくれます。

2-1 日記をつける

日記でなくても、メモでも構いません。
自分が書きやすい・加害者に見つかりにくい方法で記録できるとベター。

書く場合はできるだけ「日時天候場所受けたパワハラの内容近くにいた人」を記載するようにしましょう。

2-2 写真を撮る

相手の故意によって怪我をしたときや、私物を破損された場合、またはサービス残業を強いられたときは残業時間を証明できるものは画像として残すようにしましょう。

2-3 録音をする

朝礼で毎回叱責される場合や、呼び出しを受けた場合は予め録音できるように機器を整えておきましょう。
最近はスマホでも気軽に録音をすることができます。

その際に、録音している旨は伝えないようにしましょう。


3 今の職場を辞めたくない人のパワハラ対処方法

パワハラを対処して今の職場を続けたい人は解決に向けて動いてみましょう。

今回紹介する対処方法は次の4つです。

・内部での相談

・異動の打診

・外部への相談

・休職

ここでは対処法と共に、2章で説明した記録の使い方も併せてご紹介いたします。

3-1 内部での相談

大事にしたくない、第三者の力で変えられそうな場合は職場内で信頼できる人に相談してみましょう。

このときに大切なのは、決めつけで話さないことです。

職場で冷たく当たられることがあって」「前よりも居心地が悪く感じる」など、抽象的な内容から入ると相談相手も受け入れやすくなるでしょう。

パワハラ行為に対する温度感は人によって違いが出てきますので、言葉の選び方には要注意です。

相手が自分に対して同情的な姿勢を見せてから、証拠となる日記や写真を見せましょう。

“内部相談での主な解決方法”

・相談相手が同僚だった場合 → 上長へ相談するときの口添えを頼む

・相談相手が上長だった場合 → 加害者への勧告を依頼する

万が一、社内に信頼できる人や上長がいない場合は、後述する「外部への相談」を参考にしてください。

3-2 異動の打診

転職はしたくないけれど仕事をするメンバーを変えたい人や、相手が話し合いで解決するタイプの人間ではない場合は異動を打診してみましょう。

異動はタイミングも重要ではありますが、自身のキャリアアップにつなげることもできるので、総合病院などでは有効な手段と言えます。

万が一異動先が被らないように、打診の際にはパワハラの証拠を提示しましょう。

3-3 外部への相談

内部に相談できる人や部署がない、組織(集団)的にハラスメントを受けている場合は外部に相談してみましょう。

労働者の主な社外機関への相談先については以下の2つです。

・労働基準監督署

・弁護士

労働基準監督署と弁護士では相談できる内容が異なりますので注意が必要です。

この2つの違いは大きく分けると、「話し合いによる解決」と「法的措置による解決」のどちらをゴールとするかです。

【労働基準監督署(話し合いによる解決)】

話し合いによる解決を目指す場合は、会社近くの労働基準監督署内にある「総合労働相談コーナー」に行きましょう。

「総合労働相談コーナー」は相談や助言に留まりますので、会社との問題を直接解決してくれるわけではありませんが、相談内容や事案に応じて、解決方法を提示してくれます。

例としては、会社との話し合いが必要な場合は、労働局長による助言・指導や紛争調整委員会によるあっせん制度の案内をしてくれます。

なお、相談したパワハラの内容に労働基準法等違反の疑いがある場合は労働基準監督署への取次ぎや申告方法の案内なども行います。労働局での解決が難しい場合は、弁護士に相談するように助言されることもあります。

まず、総合労働相談コーナーでは労働者の受けているハラスメントが社内解決できるものかどうか判断します。

“判断基準”

・労働者が受けた嫌がらせはどういうものか

・労働者が受けた損害は何か

・会社のコンプライアンス窓口に相談したか

・相談した結果何か対策は取られたか

・対策を講じた結果、問題は解決されそうか など

上記の質問から総合的に判断し、当事者間での解決が難しいとなった場合は、第三者解決機関による解決を勧めることになります。

その際、総合労働相談コーナーより労働局長による助言・指導、あるいは、紛争調整員会による斡旋のいずれかでの解決を勧められるでしょう。

紛争調整委員会による斡旋は2ヶ月で8〜9割のトラブルが解決し、裁判や弁護士とは違い無料で依頼できます。

相手に慰謝料請求をしたり責任追及をしてくれることはありませんが、相談者がパワハラが原因で就業不能な状態に陥った場合や、通院費が発生した場合は加害者に”解決金”を提案し、和解を求めてくれます。(すべてがその限りではない)

【弁護士(法的措置による解決)】

パワハラにより損害や不当な処分を受けた場合、民事調停、労働審判、裁判といった法的措置をとることができます。
労働基準監督署は職場の環境改善やパワハラに対する助言・指導は行えますが、慰謝料請求などのサポートはできません。

そのため、上司や会社を訴えたい・慰謝料請求をしたいという方は弁護士に相談をおすすめします。

証拠収集、相手への通知・連絡、書類作成などを一任できるので、手間がかかりません。

まずは無料相談を行っている弁護士を探してみましょう。

3-4 休職

一旦休職して心身を休めることも必要です。

疲労感や過度な緊張感は人の判断力を鈍らせますし、精神的に病んでしまうと社会復帰が難しくなります。
そうならないためにも、すぐに解決できないのであれば、パワハラ加害者から一度距離を取ることをおすすめします。

このとき、診断書の提出を求められるので病院での取得が必要ですので医療機関を受診しましょう。


4 転職・退職をする前に取るべき行動

前項では「パワハラを解決して就労し続ける方法」についてお話しました。

しかし、休職のように診断書まで取得するレベルで追い詰められているのなら早めに転職・退職に踏み切ることを強くおすすめします。

ここでは今の職場を続けずに、転職や退職をする前に取るべき行動をご紹介します。現在の職場を辞めるときに取るべき行動は次の4つです。

・退職規定の確認

・引き継ぎ準備

・引き止め対策

・会社都合での退職

この4つを抑えておけば、比較的スムーズに退職・転職に至ることができるでしょう。

このとき、2章で紹介した3つの記録を必ず揃えておくことがポイントになります。

4-1 退職規定の確認

法律上では退職の意思表示は2週間前の申告で良しとされていますが、実際の職場の規定に沿って退職するに越したことはありません。

また、有給休暇の消化も忘れずに行いましょう。来月で辞めるので残りの出勤日数は有給休暇を消化します」で済まないのが看護職の辛いところでもありますが、患者さんに迷惑のかからないようにすることも大切です。

日数にもよりますが、退職の意思表示をする前にある程度分散して消化しておくとスムーズでしょう。

4-2 引き継ぎ準備

おそらく引き継ぎ準備が一番骨の折れる作業だと思います。通常業務にプラスして引き継ぎ業務ともなれば、居心地が悪いだけでなく時間的な余裕も奪われます。

引き継ぎ業務に関しては退職の意思に関わらず、「万が一」に備えて普段から準備をしておきましょう。

4-3 引き止められないための対策

人手不足が続く看護業界。おそらく病院はあの手この手で引き留めようとしてきます。

パワハラが原因で辞めることを伝えた場合は異動させてあげるから」と言われることが多いでしょうが、口約束などは宛にできません。

一度辞めると決めたなら、最後まで毅然とした態度で貫き通しましょう。

4-4 できるだけ「会社都合」で退職する

転職先を決めずに退職する人で、特に気をつけてほしいのは退職理由。雇用者が「会社都合での退職」をなかなか認めてくれないのは珍しいことではありません。

なぜ会社都合がいいのかと言うと、自己都合退社に比べ、失業給付金の支給について大きく変わってくるからです。

転職活動をする際には履歴書に「会社都合により退職」と記載する必要があり、面接での質問事項も増えますが、解雇とちがってハラスメントによる退職なので大きなマイナスポイントにはならないと言えるでしょう。

自己都合退職

会社都合退職

失業給付金
最短給付開始日

3ヶ月7日後

7日後

失業給付金
支給日数

90日〜150日

90日〜330日

失業給付金
最大支給額

約 118万円

約 260万円

失業給付金
給付制限

あり

なし

国民健康保険税

通常納付

最長2年間軽減

履歴書の記載内容

一身上の都合により退職

会社都合により退職

また、会社都合での退職を申請したときに「自己都合じゃないと辞めさせない」と言うのも立派なパワハラです。

万が一最後まで職場が認めてくれなくても、ハローワークに証拠提出とともに変更申請をすれば会社都合での退職扱いにする手続きが可能です。


5 どんな理由であっても退職はできる

労働者にはいかなる理由があっても退職の自由があります。

パワハラによって退職を決意した人がなかなか辞められない理由のうち、業務引き継ぎ以外の面での壁は大きく分けると次の2つになるでしょう。

・奨学金のお礼奉行期間が終わっていない

・退職届を受け取ってもらえない

これらは退職を引き止める理由ではありませんし、そもそも雇用主は退職を阻止することはできません。

しかし、ちゃんと手順を踏んで退職しないと後々面倒ごとに発展する可能性はありますので、しっかりとした対策が必要です。

それでは、それぞれの解決方法をご紹介します!

5-1 奨学金のお礼奉行期間が終わっていない

看護師の多くの方が経験するお礼奉行。これさえ無ければ今すぐにでも退職届を出せるのに、と思った方は多いでしょう。

しかし、この奨学金の返済を理由に退職・転職できないなんてことはありません。

奨学金の残債が合っても退職・転職する方法は2つです。

・自分で支払う

・転職先に肩代わりしてもらう

【自分で支払う】

しばらく働くこと自体を休みたいという人は直接病院にかけあって、残債の支払い方法について相談しましょう。このとき、違約金の話を持ちかけられたらそれは法令違反に当たりますので労働基準監督署に相談しましょう。

また、パワハラが横行している職場でよく見られるのは全額一括で支払うこと。

こちらも1年以上の在職期間があるにも関わらず「全額返済」を求められる場合は労働基準法に違反している可能性があるので労働基準監督署、または弁護士に相談しましょう。

【転職先に肩代わりしてもらう】

転職先に支払いを肩代わりしてもらい、入職後に月々の給与から天引きしてもらう方法があります。

ただ、この方法を表立って行っている病院や施設はほぼありませんので、転職エージェントに探してもらうことをおすすめします。

5-2 退職届を受け取ってもらえない

そもそも会社都合であれば、それもパワハラであれば退職届を提出する必要はありませんのでその旨を伝えます。それでも「形式上必要だ」「意思表示として提出してほしい」と言われる可能性があるので、そうした場合は退職届を書いて提出します。

会社都合で退職届を出す場合は次のように記載しましょう。

◯記載例

組織的なパワハラにより、直接手渡しでの受け取りを拒否された場合は内容証明郵便で職場に郵送します。

【内容証明郵便の送り方】

1 退職届を書いたらコピー(謄本)を2部用意する。

原本…会社へ郵送するもの

謄本①…郵便局で保管するもの

謄本②…自身で保管するもの

2 郵便局で内容証明郵便を依頼する。

最寄りの郵便局で依頼できます。普通郵便料金に書留+内容証明料(440円)を支払えばOK。

退職は労働者の自由意志で行えるものであり、「受理されたか」ではなく「雇用者に意思表示を行ったか」が重要になるので、郵送の確認が取れたら手続きは完了です。

次の記事には内容証明郵便についてや退職届の書き方、退職に関する基本的なマナーや知識を紹介していますので、ぜひご活用ください。

参考:看護師の退職届の書き方完全マニュアルと辞められないときの対処法

退職届の受取拒否自体が法令違反となりますので、他のパワハラの証拠と一緒に労働基準監督署に提出することをおすすめします。


6 パワハラを受けた看護師が転職活動でおさえるポイント

パワハラを理由に転職する場合、応募(面接)前・面接時に抑えておくべきポイントは5つです。

・求人票の内容や出方を把握する

・職場見学で雰囲気や看護師の様子をチェックする

・面接官の話す内容や態度を観察する

・勤務している看護師や関係者から病院の内情を聞いてみる

・患者さんや地元住民からの口コミ評価をチェックする 

特に求人票のチェックと職場見学は必ず行います。

<求人票の絶対確認すべきポイント3つ>

・看護師募集の求人が常時出ている

・色々な求人情報誌にやたらと求人を出している

・看護師の募集人数が病院ベッド数に比べて極端に多い

求人票については上記3項目が揃っている場合、労働環境にかなり問題があると見て良いでしょう。

<職場見学の絶対確認すべきポイント3つ>

・医師や看護師の患者さんへの対応が丁寧か

・看護師の身だしなみが清潔で整っているか

・病院見学者に対してスタッフが挨拶してくれるか

上記3つは、心と時間に余裕をもって仕事に従事できているか教育・指導は行き届いているかの判断基準になります。

その他の項目については別の記事で更に詳細に説明しているので、絶対に次の転職を成功させたい!と思っている方は確認してみてください。

参考記事: 新人看護師は【ブラック病院】に要注意!今すぐ逃げるべき理由


7 まとめ

看護師の職場では、パワハラが広く横行していることが知られています。

医師の医療行為の補助という立場や、常に緊張感のある職場という背景からパワハラの傾向が強くなっていることは確かです。

パワハラの被害にあった場合にどのような対処方法があるのかはあまり知られておらず、実際に精神的に病んでしまって社会復帰するまでに長い時間を要する人も多いでしょう。

少しでも「パワハラかも?」と思ったら、3つの記録を残しましょう。

・日記をつける

・写真を撮る

・録音をする

パワハラは第三者の目には見えづらく、また、人によってはパワハラと捉えられない部分もあることから、日々の記録が必要不可欠になります。

自分の身を守るためにも、証拠となりそうなものは些細なことでも残しておきましょう。

 

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