看護師が鬱(うつ)になる前にやっておくべきセルフチェックと対処法

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看護師が鬱(うつ)になる前にやっておくべきセルフチェックと対処法

看護師は体力を使うことが多く、体力面でのタフさが求められる職業ですが、患者さんの命や健康を預かる現場で働く上でミスが許されないという精神的な負担が大きな職業でもあります。

また、同僚の看護師や医師といった医療スタッフ、患者さんとその家族とのコミュニケーションも不可欠であるため、人間関係についての悩み・トラブルも起こりがちです。

このような状況から、看護師はうつ病をはじめとする精神疾患を発症しやすいといわれています。それでは、看護師として働く人にうつ病の傾向が見られる場合、どのような対応をするとよいのでしょうか。

当記事では、うつ病の概要や、自分自身または周囲の人が気づけるうつ病のサイン、看護師がうつ病を患う主な原因について解説します。自分や同僚・後輩などがうつ傾向にあると感じた場合の対処法も併せて確認しましょう。

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1.鬱(うつ)病とは?

うつ病とは、うつ状態が強い状態が長く継続することにより、通常の日常生活を送るのに支障が出てしまう病気のことです。うつ状態とは、物事に取り組む意欲や関心を失ってしまい、人間として持っている欲求(食欲・睡眠欲)のコントロールもうまくできない状態が2週間以上続いていることを指します。

うつ状態が続くと、心理的な症状だけでなく身体的な症状が顕在化することも多いため、普通の日常生活を送ることが難しくなってしまいます。

現段階では、うつ病を発症する原因やメカニズムは正確に判明しているわけではありません。しかし、さまざまな要因から「感情」「意欲」を制御する脳の機能に不調が生じることによって起こると考えられています。

■うつ病を発症させる要因と考えられている要素

〇精神的な要素
・家族や友人など、親しい間柄の人との死別・離別
・仕事や財産の喪失
・健康状態の悪化
・家庭内のトラブル
・職場などでの人間関係のトラブル(孤独感を感じるなど)
・結婚や妊娠、昇格などといった、家庭や職場における立場の変化

〇性格的な要素
・義務感が強い
・完璧主義
・人間関係を重視し他人への配慮が厚い

〇身体的な要素
・過労
・自身の病気
・治療薬の副作用

うつ病は、日本人の約6%が一生に一度は経験するといわれるほど珍しくない疾患です。(参照:構成労働省_知ることから始めようみんなのメンタルヘルス)

特に女性は、妊娠・出産・育児・更年期などライフステージの変化が大きいことから、男性よりもうつ病になる傾向が約1.6倍高いといわれています。看護師は女性が占める割合が大きく、命や健康を預かる重圧・人間関係などの精神的ストレスを受けやすい上に、身体的な負担も大きい仕事であるため、うつ病に対してより一層の注意が必要となるでしょう。

1-1.自分が鬱(うつ)と感じる変化

うつ病やうつ状態が長期化すると、通常の生活に支障が出る期間も長くなるため、可能な限り早い段階で、「自分がうつ病を患っている・うつ状態にある」ということを認識し、療養や治療など適切な対処を受ける必要があります。

それでは、自分自身で「自分がうつ病・うつ状態にある」と気づける変化には、どのようなものがあるのでしょうか。

■自分がうつ病・うつ状態にあると自己判断できる変化

〇以前と比べて暗く元気がない状態が2週間以上続いている

〇食欲の減退や過食などがあり、体重が急激に増減した

〇疲れやすく意欲をもてなくなった

〇体調がすぐれない(慢性的な頭痛・めまい・肩こり・消化器官系のトラブルなど)

〇動悸が激しくなることが増えた

〇自分に自信がもてなくなった・自分が価値のない人間であると感じることがあった

〇「なかなか眠れない」「過度に睡眠をとってしまう」など睡眠障害が見られた

〇集中力が続かず、自分の考えをまとめることが難しくなった

 このような症状を自覚できた場合、うつ病を疑って早めに専門家に相談することをおすすめします。

専門家のアドバイスのもと、適切な治療・静養を行うことにより、寛解状態(ほぼ以前の健康な精神状態となること)を目指すことができるでしょう。

1-2.周囲が鬱(うつ)と感じる変化

うつ病やうつ状態による変化は、自分で気づけるものだけでなく、周囲から見てわかるものもあります。

次のような変化が見られる人が同僚など自分の周囲にいたら、本人がうつ病やうつ状態で苦しんでいないかどうか気にかけておくとよいでしょう。

■うつ病・うつ状態であると周囲がわかる変化

〇以前と比べて暗く元気がない

〇体調不良が増えている

〇涙もろくなっており、以前には動じなかったシーンでも涙を流すようになった

〇集中力が散漫となることや落ち着きがなく反応が遅いことが多く、仕事のミスなどが増えている

〇人間関係などのトラブルが増加している

〇飲酒量が増えている

〇急激に痩せた・太ったなど、外見の変化でわかるほどの体重変化が見られる


2.特に注意すべき看護師特有の鬱(うつ)の原因

看護師は、患者さんの命や健康を預かるという重責を担っている上に、立ち仕事や集中力を必要とする業務も多いため、精神的にも身体的にもストレスを感じやすい職業です。

さらに、看護師の場合は女性特有の人間関係の難しさや、医師・薬剤師といった他職種・患者さんやその家族とのコミュニケーション、業務の多さなどからストレスが発生することもあり、職場環境がうつ病・うつ状態を誘発するケースも珍しくないと考えられます。

新人看護師や経験年数の少ない看護師の場合
看護業務のことや職場のルールなど、慣れない業務・環境の中で覚えることも多い時期です。
看護師長や先輩看護師から叱責されたり、患者さんやその家族から苦情を言われたりと、人間関係に悩む看護師も少なくありません。また、シフト制勤務に心や体が慣れるまでは、精神的・身体的ストレスを感じやすいことにも注意が必要です
ベテラン看護師の場合
仕事に慣れてきたベテラン看護師でも、業務量が多くなったり責任のある立場についたりと、新人看護師の頃とは異なるストレスを感じやすくなります。
看護師長と後輩看護師の間に挟まれることも多く、人間関係の悩みも多いと考えられます。

また、長く勤務していた診療科から別の診療科への異動や転職など、環境が大きく変わることによって強いストレスを感じる人もいます。
このように、看護師の職場環境はストレスを感じることが多く、うつ病・うつ状態になりやすい環境であることに注意が必要です。

ここでは、「職場の人間関係によるストレス」「業務量過多によるストレス」について、具体的に確認していきましょう。

2-1.医療の職場特有の人間関係によるストレス 

看護師は患者さんの命や健康を預かる仕事であることから、自己主張が明確にできる人や気が強い人が多いといわれています。
また、看護業界は女性が多いこともあり、女性特有の人間関係の難しさもあります。

そのため、勤務する職場によっては、人間不信に陥って疑心暗鬼になったり、同僚からの一言でストレスを感じたりすることも少なくありません。

<例>

〇声をかけるだけでも不機嫌になる先輩がいる

〇明らかに聞こえる声で話しているのに「声が小さい」「はっきり言いなさい」と叱責される

〇仕事を覚えるスピードが遅かったために目をつけられ、何をやっても先輩たちに否定されるようになった

ほかにも「医師からハラスメントを受けている」「患者さんから理不尽なことで怒鳴られる」など、看護師以外との人間関係で悩みを抱え続け、うつ状態となるケースもあります。

2-1.医療業界特有の業務過多によるストレス

看護業界は慢性的に人手不足であり、1人あたりの業務量が多くなりがちです。昇格などで立場が変われば、責任のある仕事を任される機会も多くなるでしょう。

また、異動や配置変更によって仕事環境が大きく変わると、適応するまでに時間がかかり、その間にストレスを抱えてしまうことも珍しくありません。

<例>

〇通常の業務に加え、後輩看護師への指導業務や看護発表など急に仕事が増えたため、キャパオーバーしてしまった

〇年数が上がったため夜勤も増え、生活リズムが大きく乱れてしまったためストレスを感じることが増えた

〇配置変更によって今までよりも急患への対応が増え、ライフスタイルが崩れるとともに精神的なストレスも増えた

〇出産後、育児休業を経て復帰したが、出産前と同様の働き方・業務量をこなすよう求められている


3.自分が鬱(うつ)になったときの対処法

自分自身がうつ状態・うつ病になった場合、まずは休職したり有給休暇を取得したりして休日をとり、しっかりと心と体を静養しながら、専門家に相談し、自分に合った治療を進めていくことが大切です。

うつ状態やうつ病の兆候に気づいたら、早めに上司や先輩、専門家などに相談し、症状が悪化する前に適切な対処をとりましょう。

また、うつ状態やうつ病になることを予防するために、メンタルヘルス対策を行ったり、勤務スケジュールを柔軟に変更できるようにする体制を整えたりといった工夫も大切です。


4.同僚や後輩が鬱(うつ)と感じたときの対応方法

うつ状態・うつ病の人の精神状態は非常にナイーブであるため、対応する場合には慎重にサポートすることが重要です。同僚や後輩の様子が心配な場合は、相手から無理に話を聞こうとせず、まずは相手の辛い気持ちを肯定し、いつでもその気持ちを受け入れられる姿勢であることを示すことが大切です。

うつ状態にある人や、うつ病を患っている人の多くは「どうせ私の気持ちなんて誰も聞いてくれない」「私を気にしてくれる人などいない」といったネガティブな思考に陥っています。自分の気持ちを周囲の人に伝える自信がない人も少なくありません。

同僚や後輩がうつ状態・うつ病であると考えられる場合は、「最近、調子はどう?」「何か困っていることはない?」など、折に触れて相手の様子を気遣う言葉をかけ、相手の気持ちがある程度落ち着くのを待つことが大切です。

相手が心を開き相談を受けた際には、勤務体系や業務内容の改善など、うつ状態やうつ病の原因と考えられることの解決を図ったり、専門家からの適切な治療につなげたりするなど、自分にできる範囲のサポートを行うとよいでしょう。


5.まとめ

うつ状態・うつ病は誰もが患う可能性のある精神疾患です。「頑張りすぎない」「休日はしっかり睡眠をとって気分転換する」「食事や運動に気を付ける」など、うつ病を予防する方法はいくつかありますが、看護師はストレスを感じやすい職業であるため、自分や周囲がうつ病を発症する可能性があることに注意しておきましょう。

自分自身や周囲の人にうつの症状が見られた場合は、まずは休職や有給休暇の取得によって仕事から少し離れる機会をつくりましょう。休養をとった上で専門家による診療を受け、適切な治療・ケアを受けることをおすすめします。

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