消化器科は臓器を扱う科で、生活指導、術前術後看護、がん看護が重要

消化器科の看護師消化器科の看護師

消化器科は臓器を扱う科で、生活指導、術前術後看護、がん看護が重要


この記事を見ているあなたは消化器看護に興味があると思います。

消化器科は一言で言うと臓器を扱う科になります。口腔から肛門まで繋がっている臓器全てを扱うため幅広い年代の患者さんが対象になります。がんの60%が消化器系と言われているため、がん看護=消化器科と言われて、がんがメインといっても過言ではありません。

大変そうなイメージの消化器科ですが、看護しての主な役割は3つになります。

  • 生活指導
  • 術前術後看護
  • がん看護

これらを抑えることで消化器科の仕事のほとんどがまかなえます。

消化器内科と外科では手術をするか、しないかの違いしかなく、多くの臓器を扱うことに変わりはありません。

ただ消化器科では日勤帯は「日常生活援助と、手術や検査準備」夜勤帯では「体位交換や点滴など」が主業務にはなるので、この記事を参考により消化器科の仕事を理解して頂ければ嬉しく思います。

採用情報

1 消化器科とは臓器を扱う科

消化器科は食道、胃、腸などの消化管の病気と肝臓、胆道、膵臓などの実質臓器の病気を扱う科になります。各臓器のがん、難病(炎症性腸疾患、肝炎、膵炎)、その他の急性・慢性疾患に対しての看護を行います。成人男性は勿論、100歳などの高齢者まで幅広い年代が対象となります。

消化器内科と外科では手術をするか、しないかの違いしかなく、多くの臓器を扱うことに変わりはありません。患者さんの状態をフィジカルアセスメントやデータから把握し、状態に応じた看護が必要になります。

身体的ケアだけでなく、病を抱えた患者さんに対し、精神的苦痛や不安に対するケアが求められます。

がんの60%が消化器系と言われているため、がん看護=消化器科と言われて、消化器科はがん看護がメインになります。その上で内科的治療や、外科的治療を行うのが消化器科で主として行われることになります。


2 消化器科に務める看護師の役割3選

消化器科では口腔から肛門まで全ての消化器官が対象になります。

栄養や排泄、活動など生活する上で必要なことを扱う臓器が主となるため、解剖整理の理解は必須となります。

消化器科に務める看護師として主な仕事内容を上げるとするとたった3つになります。

  • 生活指導
  • 術前術後看護
  • がん看護

これらをしっかり理解することで仕事内容の理解に繋がることなります。

2-1 生活指導

消化器科の看護師は、絶飲食をはじめ飲水制限や食事制限、禁酒や禁煙などの生活習慣に対する指導が必要になります。

退院後の生活を想定して、教育や指導を行い、家族を含めて長期的な支援を行うのが重要な役割になります。

他科の看護師同様、採血や検温、食事や排せつの介助などの他に、ドレーンの管理やバイタルサインの管理、手術前の状態の把握、手術後の経過観察などがあります。

疾患によって異なりますが、食事の摂取状況、排せつ状況などを観察し、医師へ報告します。

消化器官の不具合により人工肛門(ストーマ)が必要になるケースもあります。ストーマの造設により、身体的な変化に戸惑う患者さんに、精神面のサポートも必要です。

ストーマケアを行うと同時に、患者さん自身でケアができるように指導できるようにすることも大事な看護になります。

2-2 術前術後看護

消化器科では、疾患の治療や状態を知るための検査などが行われます。

そのため、内視鏡検査前、手術前の絶飲食の指導や、場所によっては剃毛、血液検査など術減看護が必要になります。疾患を治すための、適切な治療に向けた看護が求められます。

最も重要なのが術後看護になります。検査や術後はドレーンの挿入や、排泄物の観察、バイタルサインの変調を即座に気付くことが求められます。

状態に合わせて早期離床や経口摂取に向けた準備など、医師と本人と相談しながら進めることが重要になります。

2-3 がん看護

消化器科は1章で話した通りがんが最も多い科になります

がんの治療法には、「手術」「化学療法」「放射線療法」があり、それぞれいくつかの方法があるため、看護師は治療法を理解し、注意点や観察ポイントを把握する必要があります。

抗がん剤治療においては、経口投与、静脈内投与などで看護師が医師の指示の下、直接対応することが多くなります。

抗がん剤は種類によっても観察ポイントが異なるため、異常の早期発見に向けてフィジカルアセスメントやバイタル測定などで状態観察が必要になります。

抗がん剤治療の副作用で髪が抜けたり、食欲が減退して痩せてしまうなど、身体的変化も大きくあります。また、先の見えない治療に対する不安なども生じるため、精神的なサポートが重要にもなります。


3 消化器科で働く看護師の1日の流れ

消化器科の看護師は、その日の入院や手術や検査の日程でスケジュールは異なります。

急変対応なども少なくありませんが、オーソドックスな1日の流れとしてまとめましたので参考にして下さい。病院のOPE日の設定や医師の検査スケジュールで異なるので、是非職場で聞いてみることをオススメします。

日勤帯は8時間勤務のことが多く、8:30~17:30の勤務としています。

基本的には日常生活サポートと検査や処置などが主な業務になります。情報収集はどうしても勤務時間外にすることが多く、記録の記載も就業後に行うことが多々あります。

3-1 日勤帯は日常生活援助と、手術や検査準備がメイン

日勤帯は8時間勤務のことが多く、8:30~17:30の勤務としています。基本的には日常生活サポートと検査や処置などが主な業務になります。情報収集はどうしても勤務時間外にすることが多く、記録の記載も就業後に行うことが多々あります

時間

実施項目

8:00~8:30

・受け持ち患者さんの情報収集
(看護師によっては1時間前から実施)

8:30~9:00

・申し送り
(夜勤帯の状態、本日の手術や検査スケジュール確認)

9:00~11:00

・状態に合わせて保清や処置

・オペ出し、検査出し準備

・点滴の交換準備や、ドレーンなどの処置

11:30~13:00

・オペ出し、検査出し

・配膳や必要あれば食事介助、インスリンや食前薬配布

13:00~14:00

・昼休憩(前後1~2時間ズレること多い)

14:00~15:00

・午前中にできなかった保清や処置

・入院の受け入れ

・バイタル測定や尿破棄や24時間点滴のクリア

15:00~16:30

・手術や検査の迎え

・カンファレンス

・申し送り準備

・夜勤用の点滴準備

・ご家族対応

16:30~17:00

・夜勤者への申し送り

17:00~17:30

・記録の記載

・夜勤者に指摘された残務の処理

17:30~18:30

・看護計画の見直しや入力

・振り返り

3⁻2 夜勤は体位交換や点滴など効率的に働くことが必要

夜勤に関しては二交代制の勤務先が多いため、16:30~9:00の勤務としております。

夜勤帯は、体位交換や点滴交換など細かい業務が多くなります。夜間は異常時に早めに報告をしないといけないため、アセスメントもより細かく必要になります。業務が多いため、効率的に業務を行うことが必要になります。

時間

実施項目

16:00~16:30

・受け持ち患者さんの情報収集
(看護師によっては1時間前から実施)

16:30~17:00

・申し送り(日勤帯の状態変化、異常時指示の確認)

17:00~19:00

・バイタル測定、点滴、経管栄養、内服薬の準備と投与

19:00~20:30

・配膳や必要あれば食事介助、インスリンや食前薬配布

・眠前薬の準備

・体位変換、トイレ介助

20:30~21:30

・休憩(前後1~2時間ズレること多い)

21:30~24:00

・体位交換、トイレ介助

・輸液のクリアと点滴の更新

0:00~2:00

・仮眠(2:00~4:00と交代制のところ多い)

2:00~5:00

・体位交換、トイレ介助

・点滴の交換準備

・記録

5:00~7:00

・バイタル測定、点滴、経管栄養、内服薬の準備と投与

・体位交換、トイレ介助

7:00~8:30

・配膳や必要あれば食事介助、インスリンや食前薬配布

・日勤帯のケア用品の準備

・記録と片付け

8:30~9:00

・日勤者への申し送り


4 消化器科看護師になるためには気持ちだけ!

消化器科看護師は特に資格なども不要で、誰でもなれます。

300床以上の病院のほとんどが、消化器科を有しているので、もし希望があれば是非異動届や新人であれば強い想いを伝えるようにしましょう。現在の病院で消化器科がなければ有する病院に転職するといいでしょう。

ただ消化器科はがん患者さんが多かったり、年代が幅広いなどの特徴がありますので、向いている人をまとめてみました。

4-1 消化器科看護に向いている人①:コミュニケーションが好き

消化器科はがん患者さんが多かったり、年代が20歳前後から100歳まで幅広い方が対象になります。

そのため、他の病棟に比べ話をすることが多いため、コミュニケーションスキルが求められます。特に手術や検査前の不安軽減や、退院後に向けた生活指導など関わることが多くなるため、コミュニケーションを取ることが好きな方が向いています。

4-2 消化器科看護に向いている人②:勉強が好き

がん患者さんが多い消化器科では、様々な治療や検査、指導が求められます。

同じ放射線治療でも使う薬剤や投与方法が異なると、観察ポイントも変わります。また口腔から肛門までの臓器の解剖生理の知識が求められるため、多くの知識が求められます。

そのため勉強好きな方が向いていると言えます。

4-3 消化器科看護に向いている人③:体力がある

夜勤のスケジュールでわかるように体位変換やトイレ介助などが多くなり、体力的に求められる部分はあります。

検査やOPE出しなど移動することも多く、ナースコールも多い病棟でもあるため、体力に自信がある方は向いていると言えるでしょう。


5 消化器科看護を経てのスキルアップ

消化器科は多くの臓器を扱うため、看護師として多くの学びを得ることができます。

特にがん看護に関しての学び舎、周手術期の学びなどができる科になります。看護師の基礎知識を一通り学べる科と言っても過言ではないです。そのためスキルアップとして「認定看護師」「手術室看護」の道がキャリアアップのステップとして考えられます。

5-1 認定看護師の道

消化器科で働くのであれば「緩和ケア」「がん薬物療法看護」「がん放射線看護」の3分野が目指せる認定看護師にあります。

5年以上の看護師経験と3年以上の認定看護分野の実務経験が求められますが、次のキャリアアップとしては選択肢に入れていい分野になります。

認定看護師に関しては「 廃止ではなく新たな制度へ!認定看護師制度をわかりやすく徹底解説!」を参考にしてみて下さい。

5-2 手術室看護

消化器科看護師は手術室看護師との連携は必要不可欠になります。病院にってはお互いの部署で研修をするところも少なくありません。病棟との連携が円滑になったり、医師の特徴も掴んでいる消化器科看護師は手術室でも重宝される存在になるでしょう。


6 まとめ:消化器科看護の主な役割は3つ

消化器科は臓器を扱う科で、看護師としての主な役割は「生活指導」「術前術後看護」「がん看護」の3つになります。

がんの60%が消化器系と言われているため、がん患者さんが多く対象者は成人男性は勿論、100歳などの高齢者まで幅広い年代となります。

急変対応も多い科ではありますが基本的なスケジュールは、日勤帯は「日常生活援助と、手術や検査準備がメイン」で夜勤帯は「体位交換や点滴対応」がメインとなります。

消化器科は多くの病院にあり、やる気があればだれでもなれますが、向いている看護師の傾向もあるので、是非参考にしつつ、キャリアアップも含めて考えて頂くと、イメージがつきやすいと思います。皆様の参考になることを切に願っております。

 

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