絶対に失敗しない訪問看護への転職の選び方【チェックリスト付き】

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絶対に失敗しない訪問看護への転職の選び方【チェックリスト付き】

「折角転職するなら長く働ける就業先をみつけたい」「入職後に失敗したと思いたくない」・・・そう思う方がほとんどだと思います。

本記事では、“長く働ける訪問看護”の転職先を選ぶチェックポイントをお伝えします。

看護師・キャリアアドバイザー・企業採用担当として働いてきた経験がある筆者が書くため、より実際の転職活動で活かせる内容になっています。

チェックポイントに沿って確認することで、納得できる転職が実現できます。是非、転職活動の際に活用してみてください。

 

採用情報

1.“長く働ける”訪問看護を選ぶ!3つのカテゴリーと9個のチェックポイント

長く一つの職場で働くことは、仕事の流れが把握できて円滑に業務を進められたり退職金の受け取れる金額が多くなったり社会的信用(住宅ローンやクレジットカードの審査が通りやすい)を得られたりと、メリットは沢山あります。

長く働ける訪問看護ステーションを転職先に選ぶためのポイントは、

  • 条件面
  • 働き方
  • 職場環境

の3つのカテゴリーごとに分けられ、合計で9個のチェック項目があります。

カテゴリ内容ポイント
条件面みなし残業時間が30時間以上ついてない1
定期昇給は毎年実績がある1
退職金制度が完備されている1
働き方年間休日数が110日以上ある1
オンコールの回数は週3回未満1
職場環境ミーティングを週1回以上実施している1
スタッフの在籍期間が3年以上の人がいる1
ステーションの在籍人数は4名以上いる2
理念に共感できる1


このチェックポイントの合計別のおすすめ度は以下の通りです。

  • 8~10pt: おすすめ度 ◎
  • 5~7pt  : おすすめ度 〇
  • 4pt以下: おすすめ度 △

一見すると「どのステーションも当てはまるのでは?」と思うかもしれませんが、チェックポイントを満たしているステーションは意外と少ないです。

訪問看護ステーションの求人について、Webで独自調査をしたところ、「働き方」・「条件面」の項目を全て満たしていたのは50事業所中、2事業所のみでした。1)

上記の通り、長く働ける職場環境が整っている訪問看護ステーションは意外と少ないです。

その証拠に、2019年中に休廃止した訪問看護ステーションは全国で764ヵ所もあります。

※休廃止の主な理由は「退職した管理者の代わりを見付けられない、看護職員数の不足」、人手不足に関わること

これらの理由から、訪問看護ステーションに転職する場合は、長く働けるところを選ぶことをオススメします。

長く働ける職場を探している場合は、合計が8~10ptの訪問看護ステーションを選びましょう。総合的にスタッフが働きやすい環境が整っていますので、転職先の候補としてかなりおすすめです。

それぞれのチェックポイントの詳細を2章以降にまとめましたので、こちらを活用して納得できる転職先を選んでくださいね。

1)※50事業所はWebからランダムに抽出。職場環境はWeb上では確認できないため調査対象外

【出典】
一般社団法人全国訪問看護事業協会 令和2年度 訪問看護ステーション数 調査結果
厚生労働省 アフターサービス推進室活動報告書(Vol.15:2014 年3~6月)


 2.「条件面」は募集要項を中心に確認

条件面で確認するのは、

  • みなし残業時間が30時間以上ついてないか
  • 定期昇給は毎年実績があるか
  • 退職金制度は完備されているか

の3つになります。
採用ホームページの募集要項
紹介会社のキャリアアドバイザーに訊いたりすることでわかります。

もちろん、面接時に確認することもできますが、特に「条件面」については、面接時に沢山質問をしてしまうと面接担当者に「お金のことばかりだな・・・」と思われてしまう可能性もあります。

できるだけ、面接前に確認し、わからないことを面接時に確認するようにしましょう。

各項目の具体的な内容を1つずつ紹介していきます。

 2-1.みなし残業時間が30時間以上ついてない

条件面でオススメする事業所の1つ目は「みなし残業時間が30時間以上ついてない事業所」です。

求人票の月給を確認する場合は、月給の「金額」だけでなく、「みなし残業代」の有無を確認するようにしましょう。そして、みなし残業代が“30時間以上”ついている場合は注意が必要です。

みなし残業とは「最初から残業代が固定されて支払われる制度」を指します。
みなし残業30時間の場合は、残業を月に30時間してもしなくても固定で支払われます。

多くはないと思いますが、「みなし残業を導入しているのだから、残業30時間分は職員に働いてもらおう」と考える経営者もいます。

なので、「みなし残業30時間」と求人票に明記されている訪問看護ステーションを見つけたら、みなし残業と同等またはもっと残業が発生すると考えた方がいいでしょう。

月に残業を30時間するのは、毎日1時間~1時間半程度残業をすることを意味します。「あまり残業をしたくない」「ワークライフバランスを重視したい」と考えている方は特に注意をしましょう。

 2-2.定期昇給は毎年実績がある

条件面でオススメする事業所の2つ目は、「定期昇給の実績が毎年ある事業所」です。

募集要項を確認する際は、定期昇給の実績が毎年あるのかも確認しましょう

病院だと定期昇給は当たり前にありますが、訪問看護ステーションでは、定期昇給を行っていない事業所も多いためです。

実際、「年2回評価見直しあり」「業績による」と募集要項に記載している事業所は多く存在します。ですが、この表記の場合は必ず昇給するわけではなく、毎年そのままだったり、評価が悪いと給与が下がってしまうことがあるため、注意が必要です。

「定期昇給がないため、入職時の給与が高く設定されているステーション」や、逆に病院のように「定期昇給があるため、入職時の給与がそこまで高く設定されていないステーション」もあります。

募集要項で確認するとともに、人材紹介会社を利用されている方は、担当のキャリアドバイザーに「実際の昇給実績」「1年でどの程度給与があがるのか」も訊いてみると、3年後や5年後の給与イメージがつきやすいです。

 2-3.退職金制度は完備されている

条件面でオススメする事業所の3つ目は、「退職金制度が完備されている事業所」です。

長く働ける訪問看護ステーションを選ぶためには、退職金制度の有無の確認も大切なポイントです。
退職金についても定期昇給と同様、制度を設けていないステーションも多くあります。

退職金が有るのと無いのとでは退職後の生活に大きな差があります。

また、企業が独自に職員の退職金を蓄えていることは、ある程度経営が安定していないとできません。
なので、退職金制度の有無は経営が安定しているかの指標の一つにもなります。

長く働ける職場を探している人ほど、退職金の有無はしっかり確認することが必要です。

また、募集要項には「退職金の支給基準」が記載されていないことがほとんどです。

こちらも人材紹介会社の担当キャリアアドバイザーが把握していることがあるので、気になる場合は訊いてみましょう。


 3.「働き方」は募集要項と面接時に確認

自分の生活スタイルに合うかどうか、「働き方」についても確認することをオススメします。

「働き方」については、

  • 年間休日数は110日以上か
  • オンコールの回数は週3回以上ではないか

上記の2つをチェックしましょう。募集要項に記載されていることも多いですが、もし記載がされていなかったら、面接時に確認してみてください。

 3-1.年間休日数は110日以上ある

働き方の観点でオススメする事業所の1つ目は、「年間休日数が110日以上ある事業所」です。

休日について確認する場合、「年間休日数が110日以上あるのか」を一つの指標としてください。

日本看護協会の調べによると、

看護職員の就業規則で定められた所定の年間休日総数は、「120~130日未満」が 40.2%で最も多く、次いで「110~120日未満」が 29.4%、「100~110日未満」が 16.4%です。

このことから、年間休日数が110日以上の就業先は全体の約7割を占めることがわかります。

訪問看護ステーションにも、年間休日数が110日以上の事業所は多くあります。110日以上休めるかどうかを指標にすることで、ワークライフバランスのとれた働き方ができます。

 3-2.オンコールの回数は週3回未満

働き方の観点でオススメする事業所の2つ目は、「オンコールの回数が週3回未満の事業所」です。

オンコールについての注意点は、オンコールの有無のみではなく、オンコールの回数が週3回以上ではないかを確認することです。

多くの訪問看護ステーションが24時間体制のため、オンコール対応があるのが一般的です。ただ、オンコールの担当回数が多いと、知らないうちに心身への負担が蓄積されてしまいます。

実際に週3回以上オンコール担当をしていた看護師さんからは、

「出動した翌日も通常の勤務予定なので、次第に身体へ負荷が掛かってきた」「家にいても常に気が張っている状況で仕事のON・OFFのメリハリがつけにくい」等の声もあります。

長く働くことを考えると、オンコール回数が週に3回以上ある訪問看護ステーション以外を選ぶことをオススメします。

オンコールの回数については、ステーション毎に担当回数や電話がなる頻度、出動する頻度は様々です。募集要項に記載されていることを確認すると共に、記載されていない内容については、面接時に確認するとより働くイメージがつきます。


 4.「職場環境」は面接時に確認

 

職場環境で確認するのは、

  • ミーティングは週1回以上実施しているか
  • 看護スタッフの在籍期間が3年以上の人がいるか
  • ステーションの在籍人数は3名以下でないか
  • 会社の理念に共感できるか

の4つです。この4項目は最後の「会社の理念」以外は募集要項に載っていないことが多いため、面接時に確認すると良いでしょう。
質問例と一緒に説明していきます。

 4-1.ミーティングは週1回以上実施しているか

職場環境の観点でオススメする事業所の1つ目は、「週1回以上ミーティングをしている事業所」です。

病院では当たり前のようにミーティングがありますが、訪問看護ステーションの中には、スタッフ間で顔を合わせる時間がなく週1回のミーティングができないステーションも実在します。

訪問看護ステーションで長く働くためには、他スタッフとの連携は必須です。

スタッフ間で協力しながら仕事ができているチームは、ミーティングを週1回以上実施していることが多いです。そのため、ミーティングをどのくらいの頻度で実施しているのかを確認しましょう。

訪問看護は一人で利用者さんのご自宅に訪問するため、困ったこと等の相談ができる場があるかどうかは、長く働く上で大切なポイントとなってきます。

ミーティングの回数を確認するときの質問例は下記です。

▼質問例

  • 「どのくらいの頻度でミーティングは実施していますか?」
  • 「困った事例などをチームで話し合える場はありますか?」

このような質問をすることで、ミーティングの頻度を確認できます。

 4-2.看護スタッフの在籍期間が3年以上の人がいるか

職場環境の観点でオススメする事業所の2つ目は、「在籍期間が3年以上の看護スタッフがいる事業所」です。

スタッフの在籍期間は、長く働ける職場かどうかの大切な指標です。もちろん、開設してから1年未満等の新しいステーションの場合には該当しませんが、開設してから4~5年以上経過しているのに、3年以上勤務している看護スタッフが誰もいない場合は注意が必要です。

退職する理由は様々ですので、やむを得ない事情ももちろんありますが、誰一人として長く働いている人がいない場合は、職場環境にも何かしら改善すべき点があると考えられます。

看護スタッフの在籍期間を確認する時の質問例は下記です。

▼質問例

  • 「看護師のみなさんは何年くらいここで働かれていますか?」

上記の返答が「2~3年くらいの人が多い」だった場合は、続けて「一番長い方で3年ということでしょうか」等の質問をすると、3年以上勤務している人がいるかがわかります。

 4-3.ステーションの看護師在籍人数は4名以上いるか

職場環境の観点でオススメする事業所の3つ目は、「看護師の在籍人数が4名以上いる事業所」です。

開設して1年以上経過しているのに、看護スタッフの在籍人数が3名以下のステーションは選ばないようにしましょう。

全項目の中でこの項目のみ点数を2ptにするくらい大切なポイントです。なぜなら、護スタッフの在籍人数が少ないと、オンコールの回数をはじめとした、一人ひとりに掛かる負担が大きくなるためです。

訪問看護には看護職員(保健師、看護師、准看護師)の人員基準が設けられていて、常勤換算で2.5人以上となります。

3名以下となると、人員基準がギリギリで、1人退職者や休職者が発生した場合に基準に満たなくなってしまったり、業務の負荷が残りのスタッフにかかったりします。

また、3章でもお伝えした「オンコールの回数」も必然的に増えることになります。これらの理由から、看護師の在籍人数が3名以下のステーションはオススメしません。

看護スタッフの在籍人数を確認する時の質問例は下記です。

▼質問例

  • 「スタッフは職種ごとに何名ずついますか?」
  • 「看護スタッフは何名在籍していますか?」

    4-4.理念に共感できるか

職場環境の観点でオススメする事業所の4つ目は、「理念に共感できる事業所」です。

長く働ける訪問看護ステーションを選ぶには、理念に共感できるかも大切なポイントです。

どんなに条件面が良い職場でも、そのステーションの想いや使命、志のような根本的な考え方に共感できない場合は、働き続けることが難しいでしょう。

同じ訪問看護ステーションでも、理念はそれぞれありますので、「自分の想いと共通する部分はあるのか」「共感ができるか」の確認が大切です。

理念やステーションの想い・志を確認する時の質問例は下記です。

▼質問例

  • 「ステーションで大切していること想いや価値観はありますか?」
  • 「ステーション内での目標はありますか?」

上記の質問をすることで、ステーションが大切にしていることが何かがわかります。


 5. 体験同行や職場見学で絶対に後悔しない選択ができる

入職後に「転職に失敗した・・・」と思わないようにするためにも、転職先を決定する前には必ず実際に働くステーションに足を運ぶようにしましょう。そうした方が良い理由は2つあります。

つ目は、上司や一緒に働く仲間と話す機会をつくるため

2つ目は、実際に働くイメージを掴むため

です。

特に大手の株式会社が運営しているステーションですと、本社面接のみで選考が終了する場合があります。同じ会社でも、事業所ごとに職場の雰囲気は異なるので、本社面接だけで判断することはオススメしません。

面接で実際に働くステーションを見学できていない場合は、後悔しないためにも、職場見学や同行訪問をしてください。

 5-1.上司や一緒に働く仲間と話す機会をつくる

面接時にステーションの管理者と話しをしていない場合は、実際に職場見学や同行訪問で、話す機会をもらうようにしましょう。なぜなら、実際に働くにあたり、上司や同僚の存在はとても大切になってくるからです。

大手の株式会社が運営しているステーションですと、本社の人事担当者と面接をするのみで選考が終了するケースも多いです。実際に早期退職した看護師さんから「面接の時に感じた印象と、実際の現場の印象は全く違うものだった」「配属先によって働きやすさは異なるため、事前に見学をすれば良かった」等の声も挙がっています。ですので、入職後に「こんなはずじゃなかった・・」と後悔しないためにも、上司になる人と話す機会をつくるようにしましょう。

 5-2.実際に働くイメージをつかむ

入職前に職場見学や体験同行をオススメする2つ目の理由は、実際に入社した時のイメージをつかむことができるためです。面接で色々話しを聴いても、訪問看護での就業経験がない場合は、なかなか働くイメージはつかめないことも多いです。

特にオススメなの「同行訪問」す。

就業環境を知れるだけでなく、実際にスタッフと一緒に訪問を体験することで入職した後の業務のイメージもよりつきやすくなります

後悔せずに長く働ける訪問看護ステーションを選べるよう、是非チェックリストの活用に併せて、同行訪問・職場見学をしてみてください。


6.まとめ

長く働ける訪問看護ステーションを選ぶには、

  • 条件面
  • 働き方
  • 職場環境

の3つのカテゴリごとに以下のチェックリストに沿って確認しましょう。

カテゴリ内容ポイント
条件面みなし残業時間が30時間以上ついてない1
定期昇給は毎年実績がある1
退職金制度が完備されている1
働き方年間休日数が110日以上ある1
オンコールの回数は週3回未満1
職場環境ミーティングを週1回以上実施している1
スタッフの在籍期間が3年以上の人がいる1
ステーションの在籍人数は4名以上いる2
理念に共感できる1
  • 8~10pt: おすすめ度 ◎
  • 5~7pt  : おすすめ度 〇
  • 4pt以下: おすすめ度 △

長く働ける職場を探している場合は、合計が9~10ptの訪問看護ステーションがオススメです。

また、最終的に就職先を決定する場合には、実際に働く職場環境も自分の目でしっかり見ることが大切です。

この記事を参考に、是非長く働ける訪問看護ステーションを見つけてくださいね。

訪問看護をやってみたい。やりたい看護がある。そう思う人こそリカバリーに来てほしい。

「自分の大切な人を看るように、利用者様やご家族と関わる」

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