夜勤を10年経験した看護師が伝授!辛い夜勤のやりがいと克服方法4つ

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夜勤を10年経験した看護師が伝授!辛い夜勤のやりがいと克服方法4つ

夜勤業務がある交代勤務制。慣れるまでは本当に辛いものです。よほど好きでもない限りなかなかすぐに慣れる方はいないのではないでしょうか。

この交代勤務、一般的なサラリーマンがこなしている交代勤務というと、今週は昼勤、来週は夜勤という感じでなんとなく整理されているものですが、看護師の交代勤務といえば日替わりのようにバラバラなシフトになっているところが多いのではないでしょうか。

つまり、同じ交代勤務で働いている他職種の方と話していても、本当の辛さを理解してもらえないこともしばしばあります。

そこで、総合病院での夜勤を約10年以上こなしてきた看護師にヒアリングを行い、その経験談をもとに、辛い夜勤に悩んでいる方へ夜勤のやりがいと、辛い夜勤の克服方法をお伝えしたいと思います。

長年夜勤を続けている看護師は、夜勤の辛さが消えることは無いと言っています。ただし、ちょっとした工夫で辛さを軽減でき、夜勤のメリットである夜勤手当や夜勤をやっているからこその患者さんからの信頼を得られるというやりがいを実感できるようになり、10年以上も頑張れているという話を聞きました。

この記事が辛い夜勤に悩んでいる看護師にとって参考になれば幸いです。

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1 夜勤の辛さを日勤と比較

夜勤のやりがいとメリットをお伝えした次に、辛い夜勤の克服方法を伝授したいと思いますが、その前に夜勤の辛さを日勤と比較しながら整理しておきましょう。

1-1 特に辛いと感じる夜勤の仕事内容

病棟看護師の主な夜勤業務といえば、まずは見回りや術後やハイリスク患者の定期的な検温、点滴交換などです。こちらについては日勤帯でも行っていることですし、そこまで体力を奪われるものではありません。しかし、夜勤の場合、日頃慣れている業務も辛く感じてしまう2つの原因があります。

・仮眠で疲労回復ができていない!
・疲労のピークが来る朝が仕事のピーク!

患者さんの起床後は疲労のピークが来るため、夜勤の辛さを最も強く感じる時間帯です。患者さんの起床後から昼勤のスタッフへの申し送り時間帯までに行う業務をこなし切って、伝達内容をまとめる必要がある分、とにかく時間に追われます。

特に仮眠時間の短い三交代制では上述の調査結果からも疲労の自覚症状は大きく、病院の業務分担や看護体制によっても異なるので一概に言えませんが、「朝が忙しい」のは共通しているのではないかなと考えます。そうした体力的にも精神的にも辛い時間帯で、特に辛い仕事内容が2つあります。

1-1-1 起床前後の採血は日勤時の採血よりプレッシャーがあって辛い

夜勤の特に朝方に感じる疲労感は眠さに繋がり、結局、普段やりなれているはずの採血も手元が狂いやすいので、むしろ狂わないように集中してやる必要があるのです。

でも起床時の採血データが求められる疾患って結構多いものなので、やらなきゃ診断材料が揃わないし結果的に患者の不利益につながると思うと、やらないわけにもいかないジレンマが夜勤にはあります。

1-1-2 起床後の食事介助は時間がかかるので忙しくて辛い

夜勤帯はほとんどの病院が昼よりも大幅に人手が少なく、少人数で回していると思いますが、その少ない人手の中で食事介助が必要な患者さんがいると、それだけで人を割かれますし時間もかかります。

起床後は就寝時間中とうって変わって一気に忙しくなるのです!食事以外にも先の検温や採血などやらなければならないことがたくさんある分、こちらもバタバタです。

1-2 日勤と夜勤の違い

日勤と夜勤とでは、いくつかの項目で違いがあります。この違いをしっかり理解することで、第3章でお伝えする、辛い夜勤の克服方法が見えてきます。

日勤夜勤
業務内容1日の治療ルーティン業務
家族とのやり取り有り無し
スタッフ数多い少ない
師長等管理職いるいない
会議/カンファ有り無し
眠気無し有り
受け持ち患者数少ない多い
仮眠無し有り

以下ではその詳細をお伝えします。

【日勤】

・その日1日の患者に行われる治療内容は昼間に凝縮される
・面会時間などは昼(朝)~晩ご飯後などに限られるため夜勤帯は基本的にない
・行う内容が多いためスタッフの数が多く、清潔ケアは基本的に昼間に行われる
・看護師長は日勤が多く相談事は昼間に行う
・会議やカンファレンスなどは朝や昼間に行う(勉強会や小集団などは除く)
・やることが多いので目は冴えている。
・一人が受け持つ患者が少ない(看護体制によって変動あり)

 日勤とは逆のことが夜勤には言えると思います。

【夜勤】

・治療内容は昼間に凝縮されるため、夜勤はルーティン業務が多い
・夜中は面会時間が制限されるため、患者さん家族とのやりとりは少ない
・清潔ケアは基本的に昼間に行われるため、夜勤で行うのは緊急時がメイン
・スタッフは少ない
・師長などの責任職、管理職の人がおらず、緊急時など相談事は電話相談になりやすい
・会議などは基本的にないと考えて良い(夜勤の時間帯によりますし、ケースによっては準夜勤帯などに勉強会が開催されるようなところもありますが、会議などは基本的に少ないと見て良いかと思います)
・落ち着いている夜勤の場合はルチーンワークがない時間帯もあり、眠気が襲ってくる
・一人が受け持つ患者が多い(看護体制によって変動あり)
・二交代制を敷いているところでは仮眠時間が設けられているところが多い


2 10年以上夜勤を続けた看護師に聞く夜勤のメリット4つ

夜勤のメリットも辛い夜勤を乗り越えるために伝えておきたいところです。以下では、夜勤のメリット3つをお伝えします。

2-1 夜勤手当がもらえる

身入りの話でいえば、夜勤については多くの病院が手当をつけていると思います。そのため生活を考えて好んで夜勤に入るスタッフがいるのも事実です。これが一番のメリットと言えるのではないでしょうか。

日本看護協会が行った2020年病院看護実態調査によると、看護師の夜勤1回あたりの夜勤手当平均額は次のようになっています。

三交代制:準夜勤の手当額4,154円
三交代制:深夜勤の手当額5,122円
二交代制:夜勤の手当額11,286円

2-2 空き時間を活用して、仕事を病院で完結できる

先に述べたように、落ち着いている夜勤の場合は空き時間も生まれます。

そのため自身の研究や委員会業務などをその空き時間にこなすことで、仕事を自宅に持ち帰ることを減らすことができたりするのも夜勤のメリットと言えるでしょう。

2-3 夜勤明けの昼の時間を有効活用できる

夜勤は午前中に終わる病院がほとんどだと思いますが、昼前に終われば昼以降の時間が空くということになります。つまり世間が仕事している時間帯がお休み時間帯になるわけですので、特に平日昼間しか空いていないお店、特に公共機関への用事ごとを済ませやすいのも夜勤のメリットといえるのではないでしょうか。

2-4 夜勤を通じて患者さんを知ることで日勤帯で心の余裕が生まれる

夜勤の空き時間に多くの患者さんの疾患への理解や患者さん自身のことを把握していくことで次に受け持つ時に覚えていれば勉強しなくても良くなりますし、やることの多い日勤帯でもその患者さんを受け持った際には心に余裕を持って患者さんに接することができます。

これは患者さんにも伝わっていることで、患者さんから信頼されていると感じたり、感謝の言葉をいただいたりすることに繋がっていきます。


3 10年以上夜勤を続けた看護師に聞く、辛い夜勤の克服方法4つ

第1章で挙げた夜勤を理解し特徴を把握しておくことで、辛い夜勤も案外乗り切れるものだと思います。

そもそもなぜ夜勤が辛いかと言うと、人は基本、昼起きて夜は寝るようなサイクルに体が作られているわけで、それに逆らう形で仕事をするのが夜勤です。

日本看護協会が公表している、『看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン』によれば、人間は、サーカディアンリズムにより昼間活動して夜間眠るようになっていると解説し、夜勤・交代制勤務による心身への負担について、以下のように解説しています。(参照:日本看護協会 看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン

本来、心身の休息に適しているといわれている夜間に勤務することは、昼間に働く場合以上に心身に負担をかけます。その負担から生じた疲労は、夜勤明 けの昼間の睡眠で回復させることになります。ところが、昼間の睡眠では夜間睡眠ほどの疲労回復効果が期待できません。このような睡眠パターンの変調が 続くと、1週間程度で以下のような影響が指摘されています。

・睡眠の質の低下
・疲労回復効果の低下
・負の情動ストレスの解消機能の低下

これらの影響を克服するための経験に基づく4つの方法を紹介します。

3-1 仮眠時間に寝る練習をしましょう

まず仮眠時間にはぐっすり寝られるように練習することをお勧めします。たとえ短時間であっても仮眠をとることは体にとって良い影響をもたらしてくれるようです。

日本看護協会が公表している『夜勤中の仮眠を取りましょう~夜勤とうまくつきあうために~』はとても参考になります。(参照:日本看護協会 夜勤中の仮眠を取りましょう~夜勤とうまくつきあうために~

極力昼間起きて夜寝ると言うリズムに近い形の生活を送ることが疲労の抑制に効果的なため、夜勤前の仮眠も悪くはないようですが、それ以上に「夜勤帯に仮眠する」ことを心がけた方が良いです。

その他参考記事には食事は仮眠の三時間以上前、消化の良いものを中心にとると良いと書かれていますのでご参考までにご覧になっておいてください。

3-2 朝の仕事を極力減らしましょう

朝のきつい時間帯を数分でも削減できるように朝の仕事を極力減らす工夫をしておくことをお勧めします。仮眠の後の仕事量が多いとそれを思って頭が休息モードに入れずに寝つきが悪くなる一要因にもなってしまいます。

朝起きるのが早い患者さんはどの病棟にも必ずいるものです。そのため起きるタイミングを見計らってどの患者さんよりも先に検温しておくなど、同じ朝の時間でも仕事の順番を決めておくことも、朝の仕事を安心感をもって迎えるために有効なことです。

3-3 記録作業はまとめると効率が悪くなるため分散しましょう

記録作業はまとめずになるべく分散しましょう。

これは賛否が分かれるところかと思います。その朝の業務内容を記録する際には、まとめて全員分記載する方も多いと思いますが、非常に眠くなり、効率が悪くなります。全部やることやってゆっくり記録するという流れになってしまうと、結果的にゆっくり書いてしまって帰る時間が遅くなってしまうものです。

もちろん、1つずつ仕事を片付け、まとめて記録を書くことは効率が良さそうな感じもしますが、先の早めに起きる患者さんについては先に検温して先に記録しておくというように、できることは早めに行う、仕事を溜め過ぎない、といった工夫が大事だと思います。

時間ごとでやらなければいけないものもたくさんあるので、故意に早めてしまってはならないものもあるかと思いますのでこれには限界がありますが、とにかく仕事が集中する時間帯は業務を分散させるよう心がけ、工夫をしましょう。

3-4 メンタル面の健康に重きを置く

サーカディアンリズムを乱す事によるメンタル面の影響もしっかりと対策を立てて辛い夜勤を克服しましょう。夜勤は受け持つ患者も多くなれば視野も広く保つ必要も出てきますし、スタッフが少ない分かかる責任も重くなります。

慣れない仕事を続けると、どうしてもメンタルはダメージを受けやすいと思いますので、そこは割り切って、慣れるためのはどうしたら良いか、ポジティブに捉えてみてはいかがでしょうか。

3-4-1 限られたスタッフとの会話を大事にする

夜勤帯はスタッフがいない分、接するスタッフも限られてきますのでその限られたスタッフとの会話を大事にすることをおすすめします。

空き時間があることを良いことに、同僚と話して人間関係を構築していき、夜勤を中心に仕事を教えてもらうこともできます。

仕事に慣れれば気も楽になりますし、気が楽になるとその分体力にもいい方向に作用してくれます。

3-4-2 緊急入院や急変に対する備えを日ごろからしておく

夜勤は緊急入院や急変、死亡患者がいると、途端に就寝時間帯であれ忙しくなります。その際に仕事ができないと、孤独感や自己嫌悪に苛まれたりするものです。この緊急入院時に求められる仕事を最低限テキパキこなせるようになっておくと、安心して夜勤に取り組むことができるようになります。

急変時に対応できるようになるために、日ごろから自費でも自己投資を惜しまず、あちこち研修に出かけることをおすすめします。結果的にそれが自信に繋がり、安心感を持って夜勤に取り組むことができるようになります。急変時のインストラクターを求められるようになり、結果的に仕事が増えてしまう事態にもなりかねませんが…何かしらにつけて自信を持つことが、心理的負担を減らすことの一助となってくれることは確かです。

根拠のない自信は結果的にさらに自分を追い詰めることにつながりかねませんが、少なくとも夜勤を一緒に組むスタッフと協力体制を築けるように仕事を覚えておくようにしましょう。特にそうした忙しくなる突然降ってくる仕事を万全にテキパキこなせるような自信をつけることはきっとプラスに作用してくれることでしょう。

 心と体は繋がってますから、両方のケアをしながら仕事をこなして行くことが長く仕事を続けるコツだと思っています。


4 まとめ:看護師は適切なケアで辛い夜勤を乗り越えよう!

夜勤は確かに何も工夫しないと辛いだけになってしまうかもしれません。しかし適切な心身のケアをすることで乗り越えていけると思います。

仮眠をとりつつ、仕事が重なる時間帯の仕事で分散できるものはあらかじめ分散しておき、急変時の対応ができるようになるなど、いい意味で自信をつけることで、辛いだけの夜勤とはおさらばできるようになって行くのではないでしょうか。

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