看護師の転職回数は、3回以上だと転職に悪影響がある?

看護師看護師

看護師の転職回数は、3回以上だと転職に悪影響がある?

看護師としてこれから転職する可能性のある人や、実際に転職の回数が多くなっている人の中には、転職の回数が気になっている人も多いでしょう。

一般企業では転職回数が多い人は転職時によくない印象を持たれやすく、不利になりがちであるといわれています。そのため、看護師の場合でも転職回数が多いと、転職活動をしても採用まで至らないのではないかと不安に感じたり、悩んだりしている人も少なくないのではないでしょうか。

この記事では、看護師の転職回数が転職活動に与える影響や、転職回数が多くても採用されるためのポイントについて解説します。面接時に「転職回数が多い」という印象を与える回数の目安や看護師の平均的な転職回数、転職を成功させるために押さえたい面接時のポイントも併せて確認し、転職回数が多い人も安心して転職活動を進められるように情報を集めておきましょう。

採用情報

1. 看護師の転職回数が多いことは採用時の印象に影響する?

看護業界は慢性的に人材不足・人手不足であることから、一般的な企業よりも転職回数の多さがマイナス印象になりにくいといわれています。しかし、あまりに転職回数が多すぎると、看護師の場合でも採用担当者の印象が悪くなる恐れがあることに留意しましょう。

■ 転職回数が多いことが採用担当者に悪い印象を与える主な理由


《採用してもすぐに辞めてしまうのではないか》

短い期間で転職を繰り返している場合、「採用してもすぐに辞めてしまうのでは」という疑念を持たれやすいことに注意が必要です。採用側は1人の看護師を採用するために50万円~150万円のお金を使っているため、すぐにやめてしまう方はなるべく採用したくないのです。転職回数が多くても、1つの勤務先で3~5年程度の勤務を経験している人であれば、それほど心配する必要はないでしょう。

《勤務期間が短いため知識・スキルが不足しているのではないか》

短い期間で転職を繰り返している人の場合、「研修や指導を十分に受けられていないのでは」とスキル面での不安を抱かれる可能性があります。「いままでの勤務先の診療科がほぼ同じ系統」「専門分野を持っている」など、十分なスキルを持っていることをアピールする必要があるでしょう。

《在籍しているスタッフとコミュニケーションが取れないのではないか》

「職場での人間関係の悩み」を理由に転職・退職する看護師は少なくありません。転職回数が少なければ「前の職場での人間関係がよくなかったのだろう」という印象を持つ採用担当者も多いでしょう。

一方、転職回数が多すぎると、実際には違っていても「本人がうまくコミュニケーションをとれていないのでは」と思われてしまう可能性があります。面接時には「丁寧な受け答え」「配慮のある言葉遣い」「質問などに対する柔軟な対応」といった点に注意して臨む必要があるでしょう。

《求職者自身が何らかのトラブルを抱えているのではないか》

一定期間での転職回数が多すぎる場合、本人が何らかのトラブルを抱えているのではと不安に感じる採用担当者もいます。何らかのトラブルと付き合いながら仕事をしたい場合には、自分なりの解決策・対応策など、改善するための具体的なアクションをアピールできるとよいでしょう。

看護師の転職回数があまりにも多すぎる場合には、上記のような理由から採用担当者の印象が悪くなってしまう恐れがあります。採用担当者が不安に感じやすいポイントを押さえ、その不安を解消できるような受け答え・面接態度をとることが重要です。

1-1. 転職回数がネガティブな印象につながるのは何回以上の場合?

看護師の場合、転職回数が3回以上となるとネガティブな印象を持たれる可能性が高まるといわれています。このことに加えて、同じ年代の平均的な転職回数よりも多い場合は採用担当者の不安が強まる恐れがあることに注意しましょう。

ただし、転職回数の多さに対する採用担当者の印象は、年代によっても異なります。


《20代》

20代の看護師では、転職回数が2~3回になると「多い」というネガティブな印象につながる可能性があります。ただし、20代の看護師には「今後長く活躍することが期待できる」「伸びしろが大きい」といった強みがあります。転職回数の多さを謙虚に受け止めて、今後のキャリアについて明確に伝えることができれば、ビジョンが合う転職先から好印象を持ってもらえるでしょう。

《30代》

30代の看護師は後輩の教育・指導を行う立場であることが多いため、転職回数が3回以上となると選考を通過することが難しくなります。結婚や出産・育児といった理由で転職回数が多くなっている場合は、面接の際にきちんと説明するようにしましょう。転職回数が多いことに対する採用担当者の不安が解消されるため、選考通過の可能性を高めることができます。

《40代以降》

40代以降では、転職回数よりも今までの経験や本人のスキル・人となりが樹脂される傾向があります。直近の短い期間で転職を繰り返している場合や、今までに5回以上転職している場合にはネガティブな印象を持たれる恐れがありますが、「看護師としてのキャリア全体で3回」などといった場合にはそれほど心配する必要はないでしょう。

1-2. 転職の「回数」より「理由」が重視される

ひと昔前の一般企業には「終身雇用制」があったため、転職によいイメージを持つ人は多くありませんでした。しかし、現代では個人の経験やスキルを重視する企業も増えており、「キャリアアップやスキルアップのため」といった理由で転職をする人も増えてきました。転職をマイナスの要素として一概に捉えない企業も多く、転職の理由によっては好印象を持ってもらえるケースも珍しくありません。

 看護業界でも同様に、転職回数の数字だけではなく、転職の理由を重視する職場が増えています。転職した理由をきちんと聞いた上で判断する職場も多いため、今までの転職についてプラスの印象を持たれる要素にして伝えることが重要です。

1-3. 転職回数が3回以上になると転職理由を聞かれる?

転職活動における採用面接では、前の職場(現在の職場)を退職して転職しようと考えた理由を聞かれることが一般的です。転職回数が3回以上となると、現在の職場からの転職理由に加えて、以前の職場を転職した理由についても詳しく聞かれるケースもあることに留意しましょう。

転職回数が3回以上の場合にいままでの転職理由を聞かれる理由としては、「本人に何かしらの理由や事情があるため転職している」という印象が強くなることが挙げられます。今までの転職理由を考慮して採用するかどうか検討することが多いため、今までの転職理由を整理し、正直ながらもなるべくポジティブな印象を持たれる転職理由を考えておきましょう。

 なお、転職回数が2回以下の場合でも、同様の理由で転職理由を聞かれるケースがあります。転職回数にかかわらず、面接時に転職理由をスムーズに答えられるよう回答内容を整理しておくことが重要です。


2.転職回数が3回以上でも採用されるためのポイント

転職回数が多いと採用担当者にネガティブな印象を抱かれてしまうケースも少なくありませんが、転職をポジティブな内容として伝えることで、好印象を持ってもらえる可能性が高まります。

ここでは、転職回数が多いことをポジティブに伝えるためのポイントを紹介します。ポイントを押さえてプラスの内容に変換し、転職活動の成功につなげましょう。

2-1.経験が豊富である

転職回数が多いということは、「いろいろな職場・診療科で場数を踏んでいる」ということでもあります。転職回数が多いことを「看護現場での経験が豊富である」と変換し、ポジティブにアピールしましょう。

例えば、転職を重ねても同じ系統の診療科で働いていたのであれば、その分野での経験やスキルをアピールすることができます。職場の規模によって1人の看護師が受け持つ仕事の内容や量、範囲も異なるため、看護師として多様な経験をしていることも伝えられるでしょう。

<例>


・転職回数3回の30代看護師

・現在まで、大規模な公立病院Aの小児科、地域密着型の民間病院Bの小児科・内科、小児科クリニックCに勤務経験がある

・小児ケアも扱う訪問看護ステーションへの転職を希望

 <例文>


私は大規模病院である公立病院Aの小児科、地域密着型の民間病院Bの小児科・内科、小児科クリニックCの3つの医療機関での勤務経験があります。

 公立病院Aでは、外来や病棟での勤務で小児特有の症例やケア手法などを学び、専門性の高い知識やスキルを身につけました。より地域密着型の看護がしたいと思い、民間病院Bの小児科・内科に移りましたが、こちらでも校医・園医の補助や往診の補助など、小児から高齢者にかけて幅広い年代の患者さんの看護に携わる経験を得られたと感じています。

 小児科クリニックCへ転職した理由は、より一層地域に根ざした小児ケアを行いたいと感じたことや、自身の出産・育児があります。クリニックでは1人で担当する業務の種類が増え、これらをこなすうちに臨機応変に対応する力や小児ケアのスキルを向上させただけでなく、事務仕事など看護にまつわる多様な業務ができるようになったと実感しています。

 これらの経験から、私は小児科を中心とする地域包括的な看護に興味を抱くようになりました。小児科分野における専門性や地域に根ざした看護を行った経験、臨機応変さと看護に付随するさまざまな業務を実行する力は、御院でも十分に発揮していきたいと思っています。

2-2.退職理由はしっかりまとめておく

転職回数が多い人は、面接時に退職理由や転職理由を必ず聞かれると考えておきましょう。以前の職場を退職した理由や転職しようと思った理由を職場ごとに整理し、まとめておくことが重要です。

■退職理由別の対処法


【理由1】キャリアアップのため

「最先端の看護を学べる医療機関に転職して専門性を高めたい」「将来的には介護分野や地域包括的医療に携わりたいため、他科の看護についても知識やスキルを身につけたい」などキャリアアップのために転職した場合、転職理由をそのまま伝えることでポジティブな印象になります。転職先でどのような点を深めたいのか具体的に答えられるよう準備しておくと安心です。

 【理由2】プライベートの事情

「結婚」「配偶者やパートナーの転勤」「出産・育児」「介護」など、転職の理由が本人だけでなく家族の事情も絡むケースでは、採用選考に不利にならない場合も少なくありません。志望先への入職後も、家庭との両立を目指しながら業務に意欲的に取り組んでいきたいという熱意が採用担当者に伝わるように話しましょう。

【理由3】ネガティブな転職理由

「給料が少ない」「人間関係に疲れた」「とにかく多忙すぎる」などのネガティブな転職理由の場合、そのまま伝えると採用担当者にマイナスの印象を持たれてしまう可能性があります。

例えば、「業務量が多く体力的にきつかった」といった理由で、土日祝日休みで日勤のみのクリニックに転職したい場合には、このような言い換えが考えられます。

 ■業務量が多い

→上司や先輩からも信頼して仕事を任せてもらえることが多かったため、広い範囲の業務を1人でこなせるようになった。

■体力的にきつい

→御院でも同僚看護師や他職種のみなさんとコミュニケーションをとりながら、効率よく仕事が進められるように努めたい。

 このように、なるべくポジティブな内容への言い換えを考えることと併せて、志望先での勤務で期待することも盛り込みましょう。

2-3.情報収集はしっかりしておく

転職回数が多いことで採用担当者に「すぐに辞めてしまうのでは」と不安を抱かせないためには、志望先の情報をしっかり収集して整理し、志望動機や自己PR、転職理由に取り入れていくことも大切です。

求人票や求人サイトの情報はもちろん、志望先のサイトやパンフレットといった媒体には必ず目を通しておきましょう。「理念や方針に共感してもらえる人物か」「求める人物像に近い人材か」「志望度の高い求職者か」といった面接で判断されるポイント・要素に関することは事前に情報収集し、質問に対する回答をある程度考えておきましょう。

また、待遇面など求人情報や施設のサイトを確認していれば逆質問しなくてもよい内容もチェックしておくことが大切です。志望先の情報を十分に収集した上で、疑問に感じたことや不明な点を整理して逆質問に活かしましょう。

「志望動機の作り方がわからない」「志望動機や自己PRの例文を確認して自分の回答に活かしたい」という方は、次の記事をぜひ参考にしてください。

看護師必見!好印象を与える120点の志望動機の作り方!

【全例文つき】デイサービス志望の看護師必見!受かる志望動機、面接のポイント解説


3.看護師は転職が多い職業

看護師は他の職業よりも転職を経験する人が多い職業です。ここでは、看護師の平均転職回数を確認していきましょう。

■看護師の平均転職回数(割合と平均就業期間)

 回数

割合

平均就業期間

0回

29%

~10年が6割超

1回

23%

平均3.91年

2回

21%

平均3.75年

3回以上

27%

参照:厚生労働省『医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会 中間とりまとめ案

よって、転職回数2回までで70%以上であるため、転職回数3回以上となると「転職回数が多い」という印象を持たれる可能性があることに注意しましょう。

若い年代での転職や、複数回の転職は、志望先によっては厳しいケースもありますが、決して無理というわけではありません。転職理由や志望理由、自己PRなどをしっかり考え、選考への準備を怠らないことが重要です。


4.面接時の好印象が重要

転職回数が多いことに不安を感じている人は、志望動機や転職理由、自己PRを入念に考えることも大切ですが、採用担当者との面接時に良い印象を持ってもらうことも非常に重要です。次のようなポイントを押さえて、採用担当者に好印象を持ってもらえるような面接にしましょう。

■採用担当者に好印象を持ってもらうポイント


・相手の話をしっかり聞き、ハキハキと答える

・相手の顔・目を見て話す

・適切な敬語を使う

・社会人としてのルールを守り、適切な態度・マナーを心がける

・服装や身だしなみを整え、清潔感をもたせる

面接時には、上記のようなポイントを守った上で、自身のスキルや希望するキャリアパスなどもしっかりと伝えることが大切です。事前に十分な対策・準備を行った上で面接に臨みましょう。


5.まとめ

看護師も一般的な職業と同様に、転職回数があまりにも多すぎると面接時にネガティブな印象を持たれるケースがあります。

しかし、看護業界は慢性的に人材不足であることや、時代の流れとともに転職回数だけで判断しない風潮が広まりつつあることなどから、「転職回数が多いから」といって転職が極めて困難になることはないと考えられるでしょう。

 転職回数が多いことに悩んでいる看護師は、今までの転職理由を整理して、志望先で自分がどのように働いていきたいか明確にすることが大切です。

事前の情報収集や面接対策を十分に行った上で、「転職理由をポジティブに伝えること」「志望動機や自己PRで熱意をしっかり伝えること」「好印象を持ってもらえるような話し方・態度を心がけること」といったポイントを押さえた上で面接に臨み、働きたい職場への転職を成功させましょう。

 

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