看護師が消化器内視鏡技師になるために絶対に押さえておきたいポイント

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看護師が消化器内視鏡技師になるために絶対に押さえておきたいポイント

勉強熱心な看護師の方は「今よりも患者さんに適切なケアを施せる看護師になりたい」「将来的に多くの人の健康に役立つスキルを身に付けたい」といった、とても素晴らしい願望を持っています。

 しかし、消化器科の看護師業務は口腔から肛門まで消化器官すべてのケアに関わるため、覚えることが非常に多い診療科でもあります。

 そのため、知識や技術習得で悩む看護師の方も少なくありませんが、このようなスキルアップを希望する看護師の方は消化器科で役立つ資格を取得する方法もおすすめです。

 今回は消化器内科、外科に携わる看護師に向けて、消化器科におすすめの医療資格や資格取得を推奨する理由などを徹底解説します。各資格を取得するまでの流れなどもご紹介していますので、スキルアップを目指す看護師の方は要必見です。

採用情報

1 【消化器内視鏡技師】医師が持っていて欲しいと思うほどの資格

消化器内科、外科で働く看護師にとってスキルアップを目指せる資格は主に3つあります。その中で特におすすめなのが消化器内視鏡技師です。消化器内科の医師に聞いてみると、消化器内科の全看護師が持っていて欲しいというほどの資格です。

1-1 消化器内視鏡技師という資格

消化器内視鏡技師とは、内視鏡を用いて医師の監督指導のもとで消化器内視鏡業務に従事できる資格のことを指します。近年、胃カメラをはじめとした消化器内視鏡検査は普及が進んでおり、内視鏡を取り扱うスタッフにもより専門的な知識、技術が求められるようになっています。

 消化器内視鏡技師はこのような状況の中で、消化器内視鏡業務に関する専門的知識と技術を備えていることを日本消化器内視鏡学会が認定する資格です。

1-2 消化器内視鏡技師が消化器内科・消化器外科で役立つ理由

長年内視鏡室で働く看護師の方は、その他の部署で働く看護師よりも重宝されやすく、資格を所有していれば転職などの際にも有利に働く傾向が強いです。

なぜなら、内視鏡室での業務は胃カメラ、大腸カメラといった専門機材を用いた検査からポリープや早期ガンの切除まで行うなど、一般の看護師よりも特殊な業務に携わる機会が多いからです。

また、スキルアップはもちろんのこと、結婚や出産によるブランク明けでも歓迎されやすいのが消化器内視鏡技師の資格を取得するメリットといえるでしょう。

消化器内視鏡技師の受験資格のひとつには「日本消化器内視鏡学会専門医が従事する内視鏡室で2年以上の実務経験がある」といった条件があります。

つまり消化器内視鏡技師の資格は、内視鏡室での業務経験が長いことを証明できる証拠にもなりますので、無資格の看護師よりも信頼度は大幅にアップします。

近年は消化器系のガンの早期発見、早期治療に役立つという観点から個人のクリニックでも内視鏡施設を設けていることがありますので、今後消化器内視鏡技師の資格を有している方の需要は高まることが予想されています。

1-3 資格取得の流れ

消化器内視鏡技師の受験資格は以下の①~⑥全てを満たすことが必須となっています。

①日本消化器内視鏡技師会が定める医療関連の国家資格を保有していること(看護師、放射線臨床技師など)
②過去5年以内に、日本消化器内視鏡学会認定の専門医(非常勤含む)が従事する施設で、内視鏡に従事した勤務年数が満2年以上であること。
③申請時点で日本消化器内視鏡技師会・技師会各支部主催の「消化器内視鏡技師学会」または「消化器内視鏡技師研究会」に2回以上出席していること。
④申請時点で日本消化器内視鏡学会支部長が承認した消化器内視鏡技師会・技師会各支部主催の「機器取扱い講習会基礎編」に1回以上出席していること。
⑤日本消化器内視鏡技師会・技師会各支部主催の医学講習会に参加または勤務先の日本消化器内視鏡学会認定専門医から、医学講義を20時間以上受講していること。
上部消化管、下部消化管、胆・膵について、申請者本人の消化器内視鏡介助症例数の合計が年間100件以上かつ本学会認定専門医より証明及び推薦が得られること。

(参照:一般社団法人 日本消化器内視鏡学会「2023年度(第42回:2023年3月5日)消化器内視鏡技師認定試験実施のご案内

また、本資格の受験にかかる費用、試験開催日などに関する情報は以下のようになっています。

費用【受験料】1万円
試験実施場所CBT方式で試験会社委託の全国のテストセンター
試験実施日時【書類審査合否通知】2022年12月上旬
【学術試験日】2023年3月5日
【学術試験合否通知】2023年5月上旬

 

 消化器内視鏡技師も資格取得後は5年ごとの更新が必要になりますので、忘れないようにしましょう。資格取得やセミナーなどに関する詳細は、日本消化器内視鏡技師学会の公式サイトにて確認できます。(参照:日本消化器内視鏡技師資格更新規程


2 消化器内視鏡技師と併せて取っておきたい2つの資格

消化器内始業技師と併せて取っておくと役に立つ消化器科のおすすめ資格を2つ紹介します。

2-1 栄養サポートチーム専門療法士 (NST専門療法士)

栄養サポートチーム専門療法士 (NST専門療法士)とは、主に低栄養状態の患者さんを対象に複数の医療スタッフが協力しながら、最も適していると思われる栄養管理を行い、疾病や合併症の予防を目指す栄養サポートチームのことを指します。

 サポートチームを構成する主な職種は医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、歯科医師、臨床検査技師などとなっています。

 各職種のスタッフが患者さんの栄養状態などに関する情報を共有することで、それぞれの専門性を活かしながら患者の栄養支援を行うことができるようになります。

2-1-1 患者さんの満足な食生活のサポートに役立つ

看護師の資格を有する方が栄養サポートチーム専門療法士の資格を取得し、医師や管理栄養士などさまざまな分野の専門職と連携することで、より細かな栄養サポートを行うことが可能になります。

チームプレーによって患者さんも満足な食生活を送れる可能性が高くなりますので、消化器疾患の改善はもちろんのこと、合併症予防にもつながりやすくなるでしょう。

栄養サポートチーム専門療法士は、主に栄養を摂取したくてもできない患者さんの栄養療法を行うことになります。ひと昔前の入院患者の栄養管理は主に医師と管理栄養士で行うのが基本でしたが、近年は各患者の好みやQOL(生活の質)にも考慮した対応が求められるようになっています。

しかし、医師と管理栄養士の体制のみでは各患者の嗜好など細かな部分まで把握することは難しいです。基本的に1日の中で最も長く患者さんと向き合っているのは看護師です。看護師が患者さんと医療チームの中心となり、患者さんの状態を同じチームのスタッフに伝えることや患者さん自身に現在の栄養状態を説明することでQOL向上に繋がるためおすすめの資格です。(参照:日本静脈経腸栄養学会 栄養サポートチーム専門療法士認定規程

2-2 日本口腔ケア学会認定資格

日本口腔ケア学会認定資格は、文字通り口の中を清潔に保つ口腔ケアに関する専門的知識などを有していることを証明する資格を指します。

口腔ケアは誤嚥性肺炎の原因にもなる口腔内細菌の減少など、口の中はもちろんのこと、口腔内が原因の病気発症の確率を低下させる大切な役割を担っています。

特に口腔内の不衛生が原因の病気は体力の衰えた患者さんや高齢者の患者さんに多く、近年は高齢化社会の影響もあって、口腔ケアの必要性や重要性が高まっています。

日本口腔ケア学会認定資格は、主に口腔内の健康を維持する目的でさまざまなケアを行います。その範囲は非常に広く、検診、口腔内の清掃、咀嚼・摂食、嚥下のリハビリ、歯肉のマッサージ、食事介護などがあります。

 2-2-1 口腔ケア指導の際に役立つ

消化器外科では消化器官の手術を受けた患者さんなどは、一定期間口からの食事を制限されることもあり、口腔内の自浄作用が低下しやすくなります。そのため、看護師が患者さんに対して適切な口腔ケアを指導する機会も多いですので、消化器科の看護師が本資格を取得することは大きな意味を持ちます。

日本口腔ケア学会認定資格では実務経験や試験勉強などを通して口腔ケアの基礎から疾病別、症状別のケア方法まで口腔全般の知識を習得できるため、患者さんのQOL向上にも役立ちます。

2-2-2 業務範囲が幅広いため、転職にも有利になる。

また、口腔ケアの資格は将来的な転職を検討している方にも有利に働く傾向が強いです。前述のように口腔ケアの業務範囲は非常に広いため、本資格を取得することで一般病院はもちろんのこと、口腔専門病院、高齢者病院や介護施設などへの転職もしやすくなります。

特に現代の日本は超高齢化社会ともいわれていますから、自力での口腔ケアが難しくなった高齢者を多く抱える職場などでは、口腔ケアに関する専門的知識を持った人材が重宝される傾向にあります。


3 まとめ

消化器科の看護師は胃、食道、小腸、大腸など消化器官全般の疾患を患った患者さんの診療補助や術後の看護などをしなければなりません。

また、内視鏡室での作業などのように特別な知識を必要とする業務に携わることもあります。そのため、消化器科で働く看護師の方はケース別や症状別のケア方法など、より専門的で細かな知識を身に付けておかなければなりません。

今回紹介した資格は取得までには多少の学習時間が必要になりますが、資格勉強やセミナー、研究会などを通してスキルアップを図ることも十分に可能です。

 「今よりも専門的な立場から患者さんに携わりたい」「将来、自身が思い描いているキャリアプランを実現するために役立つ資格を取得したい」といった看護師の方はぜひ参考にしてください。

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