献血ルームでの主な仕事内容とキャリア志向の看護師に勧めない理由

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献血ルームでの主な仕事内容とキャリア志向の看護師に勧めない理由

献血ルームの仕事ってどんなことするんだろう?

触れることがないため、なかなかイメージが湧かない看護師が多くいると思います。

実は献血ルームで働く看護師は主に「受付・問診」「採血業務」「献血業務」「抜針・注意事項の伝達」「記録・物品管理業務」の5つが主になります。業務内容はシンプルではありますが、意外と知られていないのは病棟業務との違いです。

夜勤がなく日勤業務がメインであり、健康な人が対象のためコミュニケーションスキルが必要ですが、ルーチンワークが多いです。意外と知られてはいませんが、日本赤十字社の独占業務であり、狭き門でもあるため、献血ルームでの業務を希望されている方は、しっかり下調べが必要です。でも安心してください。この記事を読めばあなたの疑問や知るべき内容が全て盛り込まれているため、是非参考にして下さい。キャリアを目指す看護師には献血ルームの仕事はお勧めできませんが、ワークライフバランスを重視し続けたい方には、お勧めの働き方になります。

採用情報

1 献血ルームで働く上で知っておくべき5つの仕事内容

献血ルームで働く上での仕事の流れは以下になります。

①受付・問診

②採血

③採血データ確認後の献血

④抜針・注意事項の伝達

⑤記録・物品管理

看護師に求められるのは、「採血」「献血」「記録・物品管理」が主になります。1つ1つは難しくない業務ですのでポイント含めて学びましょう。

1-1 受付・問診

受付の方がいる場合もありますが、看護師が代行する場面も少なくありません。注意すべきは献血が実施できない8項目に該当が無いのか、問診項目に虚偽が無いのか、献血前の水分摂取の促しが大事になります。ボランティア意識で行う方が多いですが、言葉遣いに注意して真摯に対応することが重要です。<引用:献血前パンフレット(日本赤十字)>

1-2 採血業務

病院でもよくやる業務の採血がまず大事な業務になります。意外かもしれませんが、献血センターでは採血で少量の血液を採って検査を行ってから献血を行います。ヘモグロビン濃度や血液型、感染症のチェックなどを行い献血ができるか確認するためです。

採血後に献血を行うため、なるべくいい血管を使用しないことが大事になります。そして針を刺入後に動かすことで生じる内出血とならないように注意することが大事です。2020年3月23日より、献血前検査の採血が全血検査の場合、指先から少量の採血のみに徐々に変更はしていますが、現状はまだ採血が多いので注意点含めて理解しておくことが大事です。

1-3 献血業務

献血に来る方は基本的に健康でボランティアにくる方です。そのため、尊重する意味でも言葉遣いに注意が必要です。針も基本的には18G以下を使用するため、採血の針より太く痛みを伴います。声掛けが重要になります。

全血献血は10~15分程度ですが、成分献血の場合40~90分かかります。途中トイレに行くことができないので必ず施行前の確認が必要です。献血中に寒気を感じたり、眠くなる方がいますが、副作用でないことを事前に伝えることも大事です。患者さんにはしびれが生じた場合は、必ず看護師に声をかけるように伝えることなど注意点の伝え漏れがないようにしましょう。

1-4 抜針・注意事項の伝達

抜針後稀に出血が止まらない方がいます。必ず止血の確認を行うようにしましょう。特に多いのが、献血後に立ち上がって転倒したり、トイレに行った際に低血圧を生じることがあります。10分以上の休憩の促しと、水分補給の説明を必ずするようにしましょう。

1-5 記録・物品管理業務

献血される方は繰り返し行う方が多いので、記録が重要です。また副作用が生じた場合次回気を付けることが容易になるので、迷走神経反射の有無や、内出血のトラブルなどは記載しておくようにしましょう。年齢や体重や実施する献血の種類によって異なるため、採血基準は覚えておくようにしましょう。

全血献血

成分献血

200ml献血

400ml献血

血漿分献血

血小板成分献血

1回の献血量

200ml

400ml

600ml以下

(循環血液量の12%以内)

年齢

16歳~69歳

男性:17歳~69歳

女性:18歳~69歳

18歳~69歳

男性:18歳~79歳

女性:18歳~54歳

体重

男性:45Kg以上

女性:40Kg以上

50Kg以上

男性:45Kg以上

女性:40Kg以上

最高血圧

90mmHg以上

ヘモグロビン濃度

男性:12.5g/dl以上

女性:12g/dl以上

男性:13g/dl以上

女性:12.5g/dl以上

12g/dl以上(赤血球指数が標準域にある女性は11.5g/dl以上)

12g/dl以上

血小板数

15万/μL以上

60万/μL以下

年間(52週)

献血回数

男性:6回以内

女性:4回以内

男性:3回以内

女性:2回以内

血小板成分献血1回を2回分に換算して血漿成分献血と合計して24回以内

年間(52週)

総献血量

200ml献血と400ml献血を合わせて

男性:1,200ml以内

女性:800ml以内

<引用:日本赤十字社(献血方法別の採血基準)>

献血ルームで働く看護師には物品の管理も求められることが多くあります。特に物品の補充や検査機器の点検は欠かせないです。


2 キャリアアップを望む看護師に、献血ルームを勧めない理由

献血ルームの業務は夜勤もなく、健康な患者さんを対象として、献血のルーチン業務がメインになります。看護師としてのスキルアップが望めなく、キャリアとして含まれないことが多くなります。もし、あなたがキャリアやスキルアップを求めているようでしたら、献血ルームでの就業はオススメできません。

2-1 日勤業務がメイン

献血ルームでは日勤業務しかないため、小さいお子さんを抱えていたり、夜勤をしたくない看護師には最適な就業場所になります。勤務時間も8:30~17時の勤務のことが多く、日曜日休みがほとんどのため家庭との両立がしやすいのが特徴です。

2-2 対象が健康な人

基本的に健康な人を対象にしているため、病棟勤務に比べると圧倒的に急変やイレギュラーが生じることが少ないです。ただ献血自体がボランティアで協力してくれています。相手が気持ちよく献血ができるように会話や、接遇には配慮する必要があります。笑顔で接したり、説明を十分することが求められます。

2-3 ルーチン業務が多い

献血ルームが業務が決まっているため、ルーチン業務がほとんどです。採血、献血、記録・物品管理が主になるため、残業も少ないです。同じ作業が苦にならない看護師には最適の職場になります。健康な方との会話も楽しめる余裕ができるので、お話し好きにも合っている職場になります。


3 献血ルームへ転職する前に知っておくべきこと

意外と知られていませんが、献血ルームでの仕事は基本的に「日本赤十字社」での雇用になります。そして、病院での献血ルームの業務と献血バスの仕事を選べないです。日勤業務がメインで残業もほとんどないため、病棟勤務に比べて給与が低くなるため、業務以外のことも抑えておく必要があります。

3-1 基本日本赤十字社での雇用

献血の事業は1952年に日本赤十字社が開始しました。現在の法令では日本赤十字社でしか取り扱えなくなっており、全国54の血液センターと172の附属病院のみ実施されています。そのため、献血ルームでの勤務を希望する場合は日本赤十字社で従事していない方は転職をしないとできない業務になっています。<参考:日本赤十字社法>

3⁻2 就業先を選べない

日本赤十字社での勤務になりますが、献血ルームか献血バスか決まっていないこともあります。そのため、出勤場所は同じでも就業場所が毎回異なることも少なくありません。同じ場所で勤務と思ってしまいがちですが、交代で献血バスを担当するため、就業先を選べないです。

3₋3 夜勤手当がない分給与は少ない

日勤業務がメインのため夜勤手当はつきません。また残業もほとんどないため、一般的な看護師に比べると6~10万近く手当は下がってしまいます。


4 まとめ:キャリアかワークライフバランスで考えよう!

献血ルームで働く流れは、①受付・問診②採血③採血データ確認後の献血④抜針・注意事項の伝達⑤記録・物品管理になります。疾病者を主としてみることを看護師は求められるため、キャリア志向の方には献血ルームの仕事は向いていません。日勤業務がメインでルーチン業務がほとんどのため、ワークライフバランスを重視して、管理職などを目指さない看護師には向いている職場になります。

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