看護師の残業代はこの条件なら請求できる!請求方法などもあわせてご紹介

疲れている看護師疲れている看護師

看護師の残業代はこの条件なら請求できる!請求方法などもあわせてご紹介

看護師の中には、残業代が出ない、請求しにくいなどで、悩んだり不満を抱えている人が多くいます。

しかし、看護師も労働基準法で守られた労働者で、残業代はしっかりと請求できます。

この記事では、看護師にサービス残業が多い理由や、残業代を請求できる根拠、請求方法などをご説明します。ぜひ参考にしてください。

採用情報

1 看護師は残業が多い?

深刻な看護師不足と、高齢化社会の進行による認知症患者の増加などで、看護師1人当たりの業務量は年々増える傾向にあります。交代要員を確保できない状態での業務量の増加は、当然ながら残業でこなすしかあります。

日本医療労働組合連合会の調査によると、1年前に比べて仕事量が「大幅に増えた」と答えた人 21.3%「若干増えた」36.7%でした。(看護職員の労働実態調査一覧│トピックス│医労連・日本医療労働組合連合会)

同調査によるとは、仕事量の増加によって「慢性疲労」を感じている人71.7%「健康に不安」67.5%「強いストレスがある」 62.5%と、多く看護師が心身の健康に問題を抱えながら仕事をしています。

このような「自己犠牲」を払いながら仕事をこなしている看護師に対して、増えた仕事(残業)分の報酬を支払わないのは不当というしかありませんが、「不払い労働はない」と答えた看護師はわずか31.4%(同調査)と、労働基準法違反が常態化しています。


2 残業が多くなる要因

看護師の仕事で残業が多くなる要因には、交代制の勤務形態や多岐にわたる複雑な業務内容、しばしば起きる緊急事態への対応などがあります。

2-1 勤務形態

入院施設のある病院では、看護師は2交代あるいは3交代の交代勤務になります。2交代制の夜勤では、2~3時間の休憩時間(仮眠時間)が設けられますが、患者さんの様態急変やナースコールなどで休憩時間が取れない場合があります。このような「休憩時間に呼び出されて行った業務」は、残業時間になる可能性があります。

交代勤務の引き継ぎ、申し送りは、業務時間に組み込まれていなければなりませんが、看護師の場合は状況によって、引継ぎに時間がかかる場合がしばしばあり、残業が発生する要因になります。

終業後の残業を避けようとすれば、定時前に出勤するいわゆる「前残業」が増えることになります。2020年の日本看護協会の調査によると、「前残業の実態はない」と答えた病院はわずか12.4%でした。

さらに、前残業を時間外勤務として扱っている病院は21.5%に過ぎず、「扱っていない」が 62.9%に及んでおり、ここでもサービス残業の常態化が見られます。

(データ引用元 :  https://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/research/95.pdf

2-2 看護記録の記入

看護の内容や経過、今後の看護計画などを記載する看護記録は、医療法で2年間の保存が義務づけられている重要な書類なので、事実に基づいた正確な記入が必要です。

しかし、「看護記録は定時の終業後に書く」が不文律になっている病院も少なくありません。また実際にも、ぎりぎりの配置要員で看護業務をしていると、勤務時間内に看護記録を書く時間をなかなか確保できないのが現実です。

定時には次のシフト担当者への引継ぎを終えるのがやっとという状況で、看護記録の作成は残業が発生する大きな要因になっており、残業の温床にもなっています。

2-3 トラブル対応など突発的な業務

患者さんの様態の急変や入院患者の家族からのクレームや相談への対応など、看護師の仕事には「不測の事態」がつきものです。定時終了まぎわに予期しない事態が発生すると、当然残業になります。

休憩時間がナースコールでつぶれしまうのは、不測の事態とも言えないほどよくあることでが、これも残業のひとつです。

2-4 研修、勉強会への参加

医学や医療技術は日々進歩しているので、看護師が自主研修でそれにキャッチアップしていくことは不可能です。新人ナースはもちろん、ベテランの看護師も研修や勉強会への参加は必須です。

研修会や院内の勉強会をシフト時間内に開催・参加するのは難しく、多くの場合は時間外の参加、つまり残業になります。しかし、病院によっては「自主参加」の建前で残業代を支払わないケースも少なくありません。

2020年の日本看護協会の調査によると、勤務時間外に院内で開催する研修への参加を時間外勤務(残業)として「扱っている病院」21.6%に過ぎません。「扱っていない」26.4%「一部扱っている」49.3%で最も多くなっています。

件数割合
扱っている73721.8%
一部扱っている1,66949.3%
扱っていない89326.4%
わからない140.4%
無回答・不明722.1%
3,385100.0%

表. 勤務時間外に院内で開催する研修への参加を時間外勤務として扱っているか
引用元 :
https://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/research/95.pdf


3 看護師の残業代の平均は?

厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和2年4月分」によると、医療・福祉分野の「所定外給与」(超過労働給与)の平均は1万3,385円となっています。看護師以外の職業も含む平均値ですが、「正当に支払われていれば、もっと多いはずだ」と感じる看護師は多いのではないでしょうか。その実感と支給額の差が大きいほど、サービス残業が多い可能性があります。

前出の日本看護協会の調査によると、2019 年 7 月における看護師 1 人あたりの月平均超過勤務時間は5.2時間となっています。これも「そんなものではない」と感じる看護師は多いはずです。


4 残業代の計算方法

「本当はもっと残業代をもらえるはずだ」と思っていても、残業代の計算方法を知らないと具体的な数字はでてきません。ここでは、残業代の計算方法のあらましを説明します。

4-1 残業時間の計算方法

残業時間は「実際の労働時間―法定労働時間」で単純計算できます。法定労働時間は「1日8時間」または「週40時間」です。

看護師の場合は交代制勤務が多く、変形労働時間制をとっていることがほとんどなので、「1日8時間を超えた分」では計算できません。1ヶ月を通して見て「週40時間を超えた分」を洗い出しましょう。週をまたぐシフトがある場合は、2週間で80時間を超えた分を計上します。

残業時間の計算で問題となるのは、研修会、前残業、休憩中の呼び出しなど、病院側が残業と認めていないものをどうするかです。病院側との交渉などについては記事の後半で説明しますので、ここでは、自分が残業だと思う時間はすべて算入することにしてください。

残業代は「どんな時間帯に行った残業か」によって、1時間当たりの単価が違うので、単に時間をトータルするのではなく、昼の残業と深夜残業(pm22~am5)、休日出勤の3つを区別しておきましょう

4-2 残業代の計算方法


①1時間当たりの平均賃金を計算する

まず、残業代の計算の基礎になる、自分の1時間当たりの平均賃金を計算しましょう。

計算式は「基本給÷法定労働時間」です。

基本給が20万円だとすると、それを週40時間×4週=160時間で割ります。

200,000÷160 = 1,250円があなたの平均時給になります。計算のもとになるのは基本給で、諸手当や賞与は含みません。


②残業をした時間帯によって一定割合を掛ける

残業代は時間内の平均時給より割高になります。

  • 昼の残業 平均時給×1.25
  • 深夜の残業 平均時給×1.5
  • 休日出勤 平均時給×1.35

月に60時間以上の残業があった場合は、平均時給×1.5になります。

【計算例】

基本給20万円(平均時給1,250円)のAさんは、ある月に次のような時間帯で残業しました。

  • 昼の残業が10時間⇒1,250×1.25×10=15,625円
  • 深夜残業が8時間⇒ 1,250×1.5×4=15,000円
  • 休日残業が12時間⇒1,250×1.35×12=20,250円

上記を合計するとAさんの1ヶ月の残業代は5万875円となります。


5 残業代を請求する方法

行った残業に対して残業代が支払われていないときは、病院に請求する権利があります。具体的には、どのような方法で請求したら良いのでしょうか。

5-1 証拠を集める

残業を「した」「していない」で水掛け論にならないようにするために、残業をした証拠を集める必要があります。

残業の証拠になるのは次のようなものです。

  • 就業規則や雇用契約書
  • タイムカード
  • シフト表
  • 電子カルテの記録
  • PCのログイン記録
  • 詳細な勤務時間を記載したメモや日記
  • 第三者の証言
  • 看護師長などの発言を録音

ある時間帯の残業について、証拠が1つだけではなく複数あると(タイムカードとPCのログイン記録など)証拠能力が上がります。

5-2 病院と直接交渉する

残業の記録を集めたら、それを見せて病院側と交渉しましょう。ただし、病院側が看護師の要求をすんなり認めることは、実際には期待薄です。

「あなただけ認めるわけにはいかない」「理想論では病院がやっていけなくなる」など、なだめたり、すかしたり、あるいは問答無用で跳ねつける、無視するという対応が普通でしょう。

看護師が1人で病院と直接交渉するのは困難なことがほとんどなので、その場合は下記のような「他の手段」を使うしかありません。

5-3 労働基準監督署に相談する

厚生労働省の出先機関であるの労働基準監督署は、全国に321あり、残業代などの「給料未払い事案」に相談窓口を設けています。

相談者が集めた残業の記録に合理性があり、請求に正当性がある(=会社側に労働基準法違反がある)と判断された場合は、労働基準監督署が会社に「指導」や「是正勧告」を行なってくれます。

労働基準監督署からの勧告(行政指導)は強制力はありませんが、マスコミで糾弾される可能性もあり、会社側にとって重いものなので、指導・勧告によって残業代が支払われるケースがあります。ただし、労働基準監督署には、未払い残業代を回収して相談者に支払ってくれる機能はありません。

5-4 訴訟を起こして請求する

強制力をもつ請求を行うには、訴訟を起こす、つまり裁判所に訴える必要があります。訴訟を起こすには専門的な知識が必要なので、弁護士に依頼するのが一般的です。

弁護士に知り合いがいない場合は、地方自治体などが開催する「無料法律相談」で相談してみましょう。法テラス(日本司法支援センター)でも無料電話相談を行なっています。


6 残業代はいつまでに請求すればいい?

残業代の請求は2年以内に行わないと時効になります。

労働基準法第115条

この法律の規定による賃金(退職手当を除く)、災害補償その他の請求権は2年間、この法律の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合においては、時効によって消滅する。

残業代も上記条文の「賃金」に該当します。


7 まとめ

看護師の残業代についてご説明しました。これまで残業と認められていなかった業務にも、本来は残業に該当するものがかなり含まれる可能性があるので、この記事を参考にしていちど振り返ってみることをおすすめします。

また、病院側に誠意がないなど、残業代の回収が現実的にはハードルが高いと思われる方は、転職も選択肢の1つです。

 

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