納得した転職をしたい看護師が転職サイトを使わない方がいい3つの理由
転職サイトを利用して良かったことはどんなことですか?
「転職サイトを利用しない方が良いと聞いたことがあるけど、何故なのか理由が気になる」
「転職活動は転職サイトを利用しないとできないのではないか・・」
このように、思われている方は多いのではないでしょうか?
転職サイトに登録すると、オススメの就業先を転職サイトの担当者(キャリアアドバイザー)が紹介してくれたり、応募先との日程調整等も代理でやってもらえるメリットがあります。
しかし、「多少大変でも納得した転職活動をしたい方」には転職サイトの利用はオススメできません。
転職サイトを利用することでメリットもある反面、デメリットもあるからです。
デメリットには、
「転職サイト経由で就職することで100万円以上の紹介手数料を病院や企業側が転職サイト側に支払っている」という事実が影響しています。
手数料が掛かることを知っている方は多いと思いますが、自分が就職することで「100万円以上の費用が発生する」ことを知っている人は少ないのではないでしょうか。
本記事では、一般的にはあまり知られていない「転職サイトを使わない方がいい3つの理由」をお伝えします。
こちらを転職活動をするにあたり参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
1.「納得した転職をしたい人」は使わないで!転職サイトの3つのデメリット【体験談付き】
転職サイトは、求人の情報提供をしてくれたり、面接の日程調整を代行してくれたりと利用するメリットがあります。しかし、「多少大変でも納得した転職活動をしたい方」には転職サイトの利用はオススメできません。
転職サイトを利用することでメリットもある反面、デメリットもあるからです。
転職サイトを利用するデメリットに影響する要因として、
「転職サイト経由で就職することで100万円以上の紹介手数料を病院や企業側が転職サイト側に支払っている」という事実があります。
手数料が掛かることを知っている方は多いと思いますが、自分が就職することで「100万円以上の費用が発生する」ことを知っている人は少ないのではないでしょうか。
この事実から、転職サイトを利用することで
・費用がかかるので採用のハードルが高くなる
・キャリアアドバイザーの主観で転職先を紹介される
・希望の転職先に応募できない場合がある
の3つのデメリットが挙げられます。
この3つについて一つずつ解説していきます。
1-1.費用がかかるので採用のハードルが高くなる
転職サイトは求職者である看護師さん達は特に費用負担がないので、気軽に利用できます。
では、転職サイトを運営している紹介会社はどのように収益を得ているのでしょうか。
答えは、病院や企業側が看護師さんを1名採用する毎に紹介手数料を転職サイトを運営している紹介会社に支払っています。それにより紹介会社は収益を得ています。
紹介会社ごとに紹介手数料率は異なりますが、現在の看護師採用の相場は想定年収の25~30%のところが多いです。たとえば、年収が400万円で手数料が30%の場合だと、120万円の費用が発生します。
もちろん費用が発生するのは仕方がないことですが、一人採用するのに100万円以上掛かることは、病院や企業側にとって少なからずダメージがあります。
それでは、「紹介会社を利用しての採用だと不利になるのか?」気になるところですよね。
そこで、実際に看護師採用に携わっている採用担当者の方々に話しを聴いてみました。
◆採用担当Sさんの声
採用担当Sさん 全国に施設を運営している事業会社の採用担当。年間300名程度の看護師を採用している。
はい、しています。転職サイトを利用する看護師さんが多いので利用しています。
ただ、紹介手数料は年々高くなっていくので困っています。
差を出さないようにはしていますが、正直あります。書類選考の段階で経験が求める人物像とマッチしない場合、
紹介会社経由だと不採用だけど、直接応募なら「一度会ってみようかな」と思うことはありますよ。
後は、募集枠1人に対して2名応募が来た時は、もちろん人柄や経験をみたうえにはなりますが、
両方とも良い人だったら「直接応募の人を採用しよう」ってなりますよ。
◆採用担当Kさんの声
採用担当Fさん 東京都内に複数の病院を運営している法人で勤務中。年間100名程度の看護師採用に従事
採用担当のSさんとFさんの話しから、転職サイト経由の応募だと、より即戦力であることを求められたり、募集枠が1人に対し複数の応募があった場合には選ばれにくいことが窺えます。
転職サイト経由での応募だと、大きく不利になることはないですが、合否に多少の影響があるようです。
1-2.キャリアアドバイザーの主観で転職先を紹介される
転職サイトに登録すると看護師さん一人ひとりに担当のキャリアアドバイザーがつきます。
キャリアアドバイザーには、希望条件を基に求人を紹介してもらいます。
転職サイトを利用すると、入職が決定するまでのプロセスである「書類選考」「面接」「内定通知」はキャリアアドバイザーを通して全て行うことになります。
なので、キャリアアドバイザーの役割は転職活動において重要です。
キャリアアドバイザーは営業の仕事です。会社ごとに内容は異なりますが、ほとんどの紹介会社でキャリアアドバイザー一人ひとりにノルマや毎月の目標金額が設定されています。
例えば、物を販売する営業職と同様に、「毎月700万円を売上げる」等の目標です。
キャリアアドバイザーには看護師目線で、その看護師さんに合いそうな求人を紹介してくれる人もいますが、中には目標を達成するために、看護師さんの意向や特性を汲み取らず、紹介手数料が高い病院や企業の求人ばかりを進めてくる人もいます。
「紹介手数料が高い病院や企業」に看護師さんが就職することで、目標金額に近づけるからです。
そのため、キャリアアドバイザーの倫理観によるところもありますが、「全てのキャリアアドバイザーが看護師目線で関わってるわけではない」ことを念頭においておきましょう。
「なぜか同じ求人ばかり勧めてくる」と思ったり「連絡がしつこい・決断を急かされる」等、キャリアアドバイザーに不信感を抱いた場合は、担当の人を変えてもらったり、その紹介会社からの紹介はお断りすることをお勧めします。
実際に、転職サイトを利用した経験のある看護師さんと、企業側の採用担当の方に利用して「良かったこと」と「良くなかったこと」を聴いてみました。
◆看護師Rさんの声
その担当の人がとても親身になってくれて「大丈夫です。Rさんの希望に合うところありますよ」と言ってくれたんです。その後、その担当のキャリアアドバイザーさん経由で面接を何社か受けました。
無事に希望の産業保健師として就業することができました。転職サイトによって、こんなにも対応が違うんだなって驚きましたね。
◆看護師Yさんの声
2名の看護師さんの話しから、転職サイトを利用すると、担当のキャリアアドバイザー次第で良し悪しが決まりそうなことがわかりました。
次に採用担当者の方の意見も聴いてみましょう。
◆採用担当Hさんの声
その後もそこまで紹介してくれなかったので様子を聴いてみたら「もっと手数料が高いところにみんな紹介している。35%にしてくれませんか?」と返答がありました。
営業職なので致し方ない部分もありますが、キャリアアドバイザーの主観で紹介手数料が高いところを紹介されてしまうことは実際にあるようです。
1-3.希望の転職先に応募できない場合がある
転職サイトだと希望の転職先に応募できないこともあります。
希望する病院や企業が「紹介会社を利用していない」場合もあるからです。
そのため、もし気になる求人についてキャリアアドバイザーから「募集していない」と言われた場合は、直接病院や企業に確認することをお勧めします。
実際に転職サイトも利用しながら、最後は自分で直接応募をして入職した看護師Mさんの声を聴いてみましょう。
◆看護師Mさんの声
実際に転職サイト経由での採用を行っていない病院や企業はあるようですね。
採用する側の意見を採用担当のSさんから聴いてみました。
◆採用担当Sさんの声
採用担当Sさん 全国に施設を運営している事業会社の採用担当。年間300名程度の看護師を採用している。
採用担当Sさんの話しから、大きな病院や全国に多数拠点がある企業の場合は、実際に募集していても転職サイト経由の応募を断るケースがあることがわかりました。
気になる病院や企業の募集がないとキャリアアドバイザーに言われても、一度自分の目で確かめることが大切ですね。
2.転職サイトを使った方が良い人の2つの特徴
転職サイトを利用するデメリットを考えると「多少大変でも納得した転職活動をしたい方」には転職サイトの利用はオススメできません。
しかし、中には転職サイトを使った方が転職活動が上手くいく人もいます。
それは、
・とにかく忙しくて平日の日中に連絡がとれない人
・企業内看護師や産業保健師等の希少求人を希望する人
の場合です。
転職サイトを使った方が良い人の2つの特徴を説明していきます。
2-1.とにかく忙しくて平日の日中に連絡がとれない人
看護師さんの中には毎日忙しい人も多いかと思います。
病院や企業側が応募者の方と連絡を取るのは平日の日中であることがほとんどです。
そのため、平日の日中に連絡を取ることが難しい人や、仕事が忙しくて連絡のスピードが遅くなってしまう人は、転職サイトを利用した方がスムーズに転職活動ができるでしょう。
2-2.企業内看護師や産業保健師等の希少求人を希望する人
病院や訪問看護ステーションのように複数の看護師さんを採用予定の法人のほとんどは、ホームページにも看護師採用ページを設けていて募集をしています。
しかし、企業内診療所の看護師や産業保健師のように、募集枠が少なかったり、滅多に募集しない場合は看護師専用の採用ページを設けていないことも多いです。
そのため、産業保健師等を目指す場合は転職サイトを活用することで転職活動が上手くいくといえます。
3.転職サイト以外の転職方法3選
1章で「多少大変でも納得した転職活動をしたい方」は、転職サイトを利用しない方が良いとお伝えしました。
本章では、転職サイト以外で看護師さんがどうやって転職活動をすれば良いのかを紹介していきます。
3-1.求人検索エンジン(IndeedやGoogleしごと検索)
インターネットで「看護師 転職 病院」等のキーワードで検索をすると、転職サイトが表示されると思います。実は「Indeed」や「Googleしごと検索」という求人検索エンジンにも、様々な求人が掲載されています。
◆Indeedとは?
求人に特化した検索エンジンです。
indeedは「キーワード」と「勤務地」の2つの検索窓で求人を探すことができます。
たとえば、キーワードに「看護師」「病院」と入力し、勤務地に「東京」「新宿区」と入力すると、東京新宿区にある病院の看護師求人を表示することができます。
◆Googleしごと検索(Google for Jobs)とは?
「求人や転職などの求人情報を探していると想定されるキーワードで検索したユーザーに対し、検索エンジンの上部に求人情報が表示されるGoogleの機能です。
IndeedやGoogleしごと検索等の求人検索エンジンを活用しながら様々な情報収集することはオススメです。
3-2.医療職専用の採用媒体(ジョブメドレーやコメディカルドットコム)
IndeedやGoogleお仕事検索のような求人検索エンジンとは別に、医療職専用の採用媒体があります。
求人数も豊富でオススメなのが、株式会社メドレーが運営する「ジョブメドレー」とセカンドラボ株式会社が運営する「コメディカルドットコム」です。
この2つのサイトは求人を検索できたり、サイト内で病院や企業の採用担当者と直接やりとりをするスタイルとなっています。
オススメなのは費用面についてです。
看護師のみなさんの掛かる費用はもちろん無料ですが、病院や企業側が1名採用するのに掛かる費用も、転職サイトの半額程度のため、病院や企業の負担も大きくなりません。
実際にジョブメドレーやコメディカルドットコム経由で採用できることを喜んでいる採用担当者も多いようです。
3-3.公共機関(看護協会、ハローワーク)
公共機関だと、「日本看護協会」が運営する「eナースセンター」やハローワークに来訪して求人を探すことができます。特に、eナースセンターでは、各都道府県ごとに就職相談窓口がありますので、相談しながら転職活動をすることができます。
3-4.知人の紹介
いわゆる「リファラル採用」という、知り合いからの紹介で入職することを指します。
リファラル採用の一番のメリットは「実際に働いている人の話しが聴けるので、職場の雰囲気を把握できる」ということです。友人や知人経由での話しですので信憑性もあります。
このように、転職サイト以外にも、看護師のみなさんが転職活動をする方法はありますので、気になる方は試してみてください。
4.職場見学で納得した転職を実現させる
「多少大変でも納得した転職活動をしたい方」は、転職先を決定する前には実際に働く病院や施設、訪問看護ステーションに足を運ぶことをオススメします。そうした方が良い理由は2つあります。
1つ目は、上司や一緒に働く仲間と話す機会をつくるため
2つ目は、実際に働くイメージを掴むため
です。
特に大手の株式会社が運営している施設や訪問看護ステーションですと、本社面接のみで選考が終了する場合があります。
同じ会社でも、事業所ごとに職場の雰囲気は異なるので、本社面接だけで判断することはオススメしません。
面接で実際に働く職場を見学できていない場合は、後悔しないためにも、職場見学をしてください。
4-1.上司や一緒に働く仲間と話す機会をつくる
面接時に実際に上司になる人と話しをしていない場合は、職場見学で、話す機会をもらうようにしましょう。
なぜなら、実際に働くにあたり、上司や同僚の存在はとても大切になってくるからです。
大手の株式会社が運営している施設や訪問看護ステーションですと、本社の人事担当者と面接をするのみで選考が終了するケースも多いです。
実際に早期退職した看護師さんからは「面接の時に感じた印象と、実際の現場の印象は全く違うものだった」や「配属先によって働きやすさは異なるため、事前に見学をすれば良かった」等の声も挙がっています。
ですので、入職後に「こんなはずじゃなかった・・」と後悔しないためにも、上司になる人と話す機会をつくるようにしましょう。
4-2.実際に働くイメージをつかむ
入職前に職場見学をオススメする2つ目の理由は、実際に入社した時のイメージをつかむことができるためです。面接で色々話しを聴いても、なかなか働くイメージはつかめないことも多いです。
病院や施設であれば「職場体験」、訪問看護ステーションだと「同行訪問」を実施しているところもあるので、参加することをオススメします。
就業環境を知れるだけでなく、実際にスタッフと一緒に業務や訪問を体験することで入職した後の業務のイメージもよりつきやすくなります。
5.おわりに
いかがでしたでしょうか。
転職サイトを利用するメリットはありますが、「多少大変でも納得した転職活動をしたい方」には転職サイトの利用はオススメしません。
その理由は「転職サイト経由で就職することで100万円以上の紹介手数料を病院や企業側が転職サイト側に支払っている」という事実が影響し
・費用がかかるので採用のハードルが高くなる
・キャリアアドバイザーの主観で転職先を紹介される
・希望の転職先に応募できない場合がある
の3つのデメリットがあるためです。
転職サイト以外にも、仕事を探す方法はありますので、ご自身の納得した転職活動の方法を選んでみてください。
コメント