プリセプター経験3回の著者が伝えたい重要な業務と事前準備3選

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プリセプター経験3回の著者が伝えたい重要な業務と事前準備3選

プリセプターを打診された際どんな想いでしょうか?

「自分なんかに務まるわけがない」

「何を準備したらいいかわからない」

多くの看護師がこの壁にぶつかります。かく言う著者も実は1人目のプリセプティが半年で辞めてしまい、思い悩んだ時期がありました。その失敗を元にその後2回のプリセプター経験を元に重要な業務は3つであることを実践の中で知りました。

・年間プリセプター計画の作成

・日々の業務のフィードバック

・スケジュールの確認と進捗確認

たったこれだけのことをすることで、十分新人看護師の成長に繋がります。

その上で「上司(役職者)の教育方針の理解」「伝える優先順位の選定」「1年目の教わったことの復習」を実践することで、教える効率が格段に上がります。

是非今悩んでいるプリセプターに知ってほしい内容になりますので、新人看護師の教育に生かして下さい。

採用情報

1 プリセプターとは?

看護師におけるプリセプター制度とは、先輩看護師(プリセプター)が新人看護師(プリセプティ)をマンツーマン指導で教育することを指します。新人看護師は、看護学生時代に経験した医療現場と、実際の医療現場との違いに戸惑ったり悩んだりすることが少なくありません。プリセプター制度の目的は、それらの悩みや不安を取り除けるように、1人の先輩によってきめ細かな指導を行うことになります。

1-1 プリセプターは大きく分けて3種類

形は大きく3つに分けられています。1人の先輩が1人の新人をマンツーマンで指導するのが基本形です。さらに、先輩と新人の上にシニアプリセプターまたはアソシエイトが付く形があります。そしてもう1つが、メンターと呼ばれる取りまとめ役が先輩と新人のフォローを行う形になります。

名称

特徴

プリセプター

新人看護師を担当して共に業務を行う。業務を通してアセスメントや手技など指導し、振り返りなどを行う。

シニアプリセプターまたはアソシエイト

プリセプターは新人看護師に対して日々の業務指導や相談を行い、アソシエイトはプリセプターのサポートや補助を担う

メンター

助言者の役割を持ち、中長期的な視野でキャリア支援を行う。精神面の支援や人間成長を促す

1-2 プリセプターになるための条件は特になし

プリセプター制度は多くの病院で取り入れられ、2~5年目の看護師が担当するケースがほとんどにです。プリセプターは新人の日々の業務の指導やフィードバックが求められます。基本的に1人立ちしている看護師が担当になるため、該当年数の看護師はほぼ対象になります。年数で実施することが多いため、特に条件はありません。早期退職が決まっていたり、休職などの期間がなければほとんどの看護師が通る業務です。


2 プリセプターの抑えるべき3つの仕事内容 

プリセプターは業務が多くあるように思えますが、抑えるべき業務はたった3つになります。

・年間プリセプター計画の作成

・日々の業務のフィードバック

・スケジュールの確認と進捗確認

これさえ行えば8割の業務はスムーズに遂行されます。ポイントは年間計画を立案して確認することのみになります。

2-1 年間のプリセプター計画の作成

プリセプターの期間は基本的に1年間です。最も重要なポイントは年間計画を立案して振り返ることです。病院や病棟でもベースはありますが、プリセプター自身でも進捗を確認して、振り返ることが重要です。振り返りは、必ず毎月行い、「その月の目標が達成できているのか?」「来月の目標の確認」の2つを新人看護師と見直しましょう。3回プリセプターを行った私の経験と、従事した病院の資料を参考に、これから年間計画を立てるベースを資料として作成しました。これを参考に、自院の内容を盛り込めばスムーズに立案が可能になります。

目標

行動計画

4月

自部署の特性を知る

社会人としての生活に慣れる

部署の構造や物品、配置が理解できる

社会人としてのマナーを守ることができる

5月

チームの一員であることを理解し、
自己の目標をもって行動ができる

プリセプターと共に処置やケアを行える。
自身の目標設定を行える

6月

日勤業務の流れがわかる

検温表や看護記録の記載

7月

業務や看護ケアの根拠をもって携われる

患者さんの看護計画の立案、看護展開の実践

8月

複数の患者さんを受け持ち夜勤業務を
行える

患者さんだけでなく、家族ともコミュニケーションを図れる。
夜勤業務の流れを理解できる

9月

日勤業務と夜勤業務の特性の違いを
理解できる

日勤から夜勤業務への引継ぎを行える。
他職種連携ができる

10月

指導を受けながら看護過程の展開が
できる

代表的な疾患を受け持ち、看護過程の展開を行える

11月

チームの一員として活動する実感が
持てる

他職種、他部門との連携ができる

12月

自分の役割を理解した上でチームメンバーとして行動ができる

患者さんの状態に合わせて、業務の優先順位を考えて行動できる

1月

看護師としての責任を理解できる

助言を得ながらでも、自身の看護実践の振り返りとアセスメントができる

2月

自己の課題を把握できる

未経験の技術や症例にチャレンジできる

3月

自己の課題を明確にし、次年度の目標計画を立案できる

自己評価だけでなく、他者評価を含めて考察できる

2-2 日々の業務のフィードバック

看護師の特性上夜勤やシフト勤務であるため、毎日関わることが難しくなります。そのため、同じ勤務の日に必ず行ってほしいことがあります。

それは「業務のフィードバック」です。

・その日1日で感じたこと、気付いたこと

・事前に勉強したことと、足りなかったことの洗い出し

・月間目標の確認

上記を15~30分以内で行いましょう。業務後で集中力が無くなるので、時間を決めずに行うのが成功の秘訣です。

2-3 スケジュールの確認と進捗確認

プリセプターが新人看護師と確認する上で重要なのがスケジュール確認です。仕事の組み立てに慣れていないため、本人の頭の中の整理を目的に必ず確認しましょう。

業務中にスケジュールの進行具合を確認しつつ、朝のスケジュールの乖離があれば改めて練り直すことを伝えましょう。その上で業務終了後の振り返りで1-2を行えれば必ず年間目標を達成することができます。


3 プリセプターになる前に準備しておくべき3つのこと

プリセプターになった際、代表的な悩みは主に3つあります。

【悩み①】誰のアドバイスを聞いていいかわからなくなる

【悩み②】優先順位が決められない

【悩み③】何を伝えていいかわからない

この悩みは、プリセプターになる前に準備しておけば必ず解決されます。

【解決策①】上司(役職者)の教育方針を理解する

【解決策②】伝える優先順位の選定をする

【解決策③】1年目に教わったことを復習する

各章で説明していきます。

3-1 【解決策①】上司(役職者)の教育方針を理解する

プリセプターは2年目から4年目の看護師が携わるケースが多くあります。そのため病棟内では経験年数が浅いため、多くの先輩からの助言を受けることになります。そのため、誰のアドバイスを聞いていいかわからなくなり、自身が混乱したり、自信を無くす方が多くいます。

解決策は必ず「師長あるいは主任などの役職者の教育方針を理解する」ことにあります。この軸がブレない限り教育方針に悩むことはありません。教わった経緯が違うとアドバイスが異なります。1番スムーズなのは役職者の方針です。必ず抑えてわからなくなれば、同じ役職者に確認するようにしましょう。

3-2 【解決策②】プリセプターとしての伝える優先順位の選定をする

新人看護師は臨機応変な対応は難しい判断になります。併せてプリセプターが根拠をもって伝えるのも難しい課題です。ここは全てを新人看護師に考えるのではなく、伝える優先順位で考えてもらいましょう。重要度が疾患を理解しないと判断がつきません。まずはプリセプターが伝える優先順位を意識して行動するように心がけましょう。

3-3 【解決策③】1年目にプリセプターから教わったことを復習する

1番簡単に指導できる方法は、自分が教わったことをそのまま伝えることです。意外と多くのプリセプターが自身で1年目に教わったことを復習していません。知るべきポイントや学習方法の最たる答えがそのままあります。その上で自身がわかりにくかったことを修正すればよりよい指導ができますし、予習も簡単になります。是非1年目に教わったノートや資料を引っ張り出すようにしましょう。


4 プリセプター経験者が教える新人看護師の成長を3倍加速させる2つのポイント

著者は手術室看護師時代に2回、ICUに転職した際に1回と多くの人が1度しか経験していないプリセプターを3度経験しています。1度よりも2度目、そして3度目とポイントを理解したので、是非重要な2つのポイントを伝えたいと思います。

4-1 本人の目標を明確にする

新人看護師とのコミュニケーションを図るためにも大切なのが本人の目標を知ることです。意外と疎かにしてしまいますが、必ず本人の目標を聞き出すようにしましょう。ただ、なかなか決められないのが新人看護師です。そんな時は、「なぜ看護師になったのか?」という原点に立ち返るのが解決策です。自身の原点から本人の目指したい看護師像をイメージすると本人の目標が明確になりやすいです。悩んだり、つまずいたときにこの目標を思い出させることが、本人のやる気に繋がります。

4-2 先輩や同僚に事前に共有を行う

プリセプターは新人と毎日関わることはできません。そのため先輩や同僚のフォローは必要不可欠です。各看護師やそれぞれの信念や看護観が強くあります。異なる価値観を伝えられることで新人看護師が悩むケースが多々あります。これを防ぐのは「本人の目標の共有」と1-1で伝えた「年間計画の伝達」です。新人看護師が何を目標にしているのか、どんな計画で教育するのかを知ってもらうことが非常に重要です。伝える軸が定まるため、周囲も協力しやすくなります。

この2つを実践したことで、新人看護師が大きく成長することは実証済みなので是非実践してみて下さい。


5 まとめ:プリセプターは3つの業務を抑えれば問題なし

プリセプターの形は大きく3つに分けられ、1人の先輩が1人の新人をマンツーマンで指導するのが基本形です。さらに、先輩と新人の上にシニアプリセプターまたはアソシエイトが付く形があります。そしてもう1つが、メンターと呼ばれる取りまとめ役が先輩と新人のフォローを行う形です。

業務が多くあるように思えますが、抑えるべき業務はたった3つです。

・年間計画の作成

・日々の業務のフィードバック

・スケジュールの確認と進捗確認

その上で事前準備を行いつつ、自身の振り返りを行っておくと更にスムーズになります。「大変だった」という先輩の声に耳を傾けず、自身のプリセプター像を確立して臨むようにしましょう。

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